推薦状について

2010年5月7日金曜日

これは結構難しいです。一連のアプリケーション対策の中で一番難しいと言ってもいいかもしれません。
なぜなら、一番時間がかかるということと、自分一人では完成させることのできない唯一のアプリケーションマテリアルだからです。

<推薦者の選び方>
これは本当に、人それぞれだと思います。参考までに、私の推薦状を書いて下さった3人の先生方を紹介します。

1)研究室の指導教授

指導教授を選ばない人はいないのではないかと思います。
しかし、指導教授だからと言って自分の研究室の学生全員についてよく知っているかというと、そうでもないケースもあると思います。
特に20人など、学生数の多い大きい研究室の場合、積極的に自分の研究などについて質問や議論に行かない人については自然と印象が薄くなるものです。
できれば教授の直下になるべきだと思いますが、なれなかった場合でも、物怖じせずにどんどん行くべきです。
また、ゼミなどで積極的に発言するのも有利だと思います。
アメリカでは発言しない者はいないものとみなすなどと言いますから、日本語でできなければ英語でもできないと思い、練習のつもりで頑張るといいと思います。

2)学科長あるいは学部長

私の場合、私の学部4年間&修士1年間学部長を勤めていらした先生がたまたま同じ学科だったので、学部長にお願い致しました。
学部長や学科長の先生の授業は学部の時から積極的に取り、良い成績をもらえるように頑張った方がいいと思います。
私は(元)学部長の授業を学部の時に4~5個取り、全てで優を頂いたので、推薦状のお願いをした際にはその点を強調しました。

3)特に良い成績を取った授業の先生&短期留学プログラムの担当だった先生

私は修士1年の時、ワシントンD.C.のジョージタウン大学で行われた1ヶ月間の短期語学留学(11人参加)に参加しました。
そのジョージタウン大学で、「そうだアメリカの大学院に行こう!」と思い立ったのです。
参加申し込みした時には全くアメリカに大学院留学をするなどということは頭をよぎりもしていませんでしたが、申し込みの際のTOEFL-ITPの点数はその時受験した人たちの中で一位でした。
更に運の良いことに、その短期留学プログラムの担当がうちの学科の先生でしたので、その先生に推薦状のお願いをすることにし、推薦状のお願いをした際にはその点を、いくつかの強調する点の中の一つに含めました。
また、その先生の授業も学部&修士課程でいくつか取っていて、全てで優を頂いたので、それも強調しました。

4)その他の可能性

私は上に挙げた3人の先生方に推薦状をお願い致しましたが、その他に考えられる可能性としては、例えば共同研究先の教授、なども考えられるのではないかと思います。
いずれにせよ、少なくとも一人は世界的に有名な先生を含めることができたら理想的だと思います。

<先生方とお近づきになる>

先生方とお近づきになるには、積極的に質問に行く、というのが一番だと思います。
私の場合、学部生の時にはアメリカに行くことは髪の毛の先ほども考えていませんでしたが、
同じ授業を受けている同級生達を信頼していませんでした。
……と言うと語弊がありますかね…。つまり、私が受けている授業と同じものしか受けていなくて、しかも私は自分の最大限真面目に授業を受けている、と思っていたので、私と同じ程度かそれ以下にしか真面目に受けていない同級生達が私よりも大幅に深く授業を理解しているとは考えにくかったのです。
しかも、友達に聞いて答えが得られたとしてもそれが本当かどうかははっきりしないことが多い。
間違ったまま覚えてしまうリスクに私は耐えられず、先生のところに質問に行き始めました。
その結果、「まぁそんな勉強ばかりしていないでチョコでも食べなさい」とフランスのチョコを出して下さる先生もいらっしゃれば、「わたしは忙しいんだ~~~」と全速力で逃げられた先生もいらっしゃいました(笑)(←コレ、本当(笑))
まぁ、大体の先生は顔と名前を覚えてくれて、「熱心だな、いい生徒だな」と思って下さるのが普通です。
なぜなら、足しげく質問に行く学生が少ないからです。学部生が質問に行くのはかなり珍しいので印象に残りやすいと思います。(日本国内限定)
そして、今思うと稚拙な質問も多かったと思いますが、「何でそんな簡単なこともわかってないんだ」と怒られたことは一度もありません。大丈夫。

<推薦状を見る権利について>
アメリカの大学院の推薦状提出のシステムは、大抵以下の通りです。
まず、online applicationのアカウントを作り、自分の個人情報を打ち込む

最後の方に"recommendation letters"のページがあります。
そこに、推薦者の名前、E-mailアドレス、職場の名前と地位(○○大学、教授、とか)を書きます。

そうすると、自動的にシステムがその推薦者にメールを送り、推薦者は推薦状フォームを埋め、推薦状を送る。

という流れです。
推薦状フォームというのは、2つしか見たことがないので詳しくは知りませんが、
「今まで教えた学生の中での、この学生の優秀度を選んで下さい 上から10%以内 上から30%以内 ………」
などなど、細かい質問に答える欄があることが多いようです。

で、そのonline applicationで推薦者のデータを打ち込む時、「推薦状を見る権利を放棄しますか?」という質問が出てきます。(受験生が答えるものです)
アメリカには法律だかなんだかがあって、推薦状を見る権利が学生には与えられてるんだそうです。
これを放棄するべきかどうか?
かなり難しい質問ですよね。

放棄すれば、何を書かれるかわからない。アメリカの某超有名大学を卒業し、同じくアメリカの某超有名工科大学大学院に進学した友達がいますが、彼は学部4年生の時に大学院にアプライした際、頼んだ推薦者の一人が「この学生は良くない」という内容の推薦状を書き、すべて落ちてしまいました。
結果彼は、大学卒業後の1年間を棒に振り(出身大学の修士課程に通い)、次の年に別の推薦者にお願いして、無事大学院に合格することができました。
最初の年、彼は推薦状を見る権利を放棄しましたが、推薦者の一人が悪い推薦状を書いたというのは彼の指導教官づてに聞いたそうです。

しかし放棄しなければ、出願先の大学院は、その推薦状を100%鵜呑みにするでしょうか。
ある程度差し引いて受け取られると、Donald Asher 著 Graduate Admissions Essays: Write Your Way into the Graduate School of Your Choiceには書いてあります。
実際受け取り方は入試担当教員一人一人違うとは思いますが、放棄しない、ということでその学生と推薦者との間の信頼関係や、推薦者は本当に素で書いたのか、というようなことをちらりと疑ってしまう気持ちになるのが人情じゃないでしょうか。

ということから、「絶対自分は気に入られている!」と自信を持てる先生方3人に推薦状をお願いした上で、権利を放棄するのがいいんじゃないかと思い、放棄しました。

<推薦状をお願いする際に用意するもの>
指導教官にお願いする際には特に用意するものはありませんでしたが、
指導教官じゃない先生にお願いする際には最低でも以下のものがあるといいんじゃないかと思います。

1)今までの研究テーマの要約
2)今まで出した論文リスト及び論文そのもの(たぶん「リスト」を作るほど論文が出ている人はほとんどいないと思いますが(笑))
3)今まで参加した学会発表のリストと、その時の予稿
4)今まで参加した短期留学や何らかのプログラムがあれば、それについての説明(特に、その短期留学などに参加する際何らかの選抜があった場合は、「何位で通ったか」)
5)学部時代(&あれば修士時代)の成績証明書
6)その先生の授業で自分が取ったもののリストとその時の成績
7)受けたものがあれば、奨学金の詳細
8)その他、自分がアピールして欲しいと思うもの

ref)、Donald Asher 著 Graduate Admissions Essays: Write Your Way into the Graduate School of Your Choice

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