TOEFL対策

2010年5月2日日曜日

TOEFLに関して言えば、今までも大きな変革は何度もありましたし、これからもあるでしょう。
なので、ここから書く内容はあくまで2010年春現在有効なものであって、もしこれを読む皆さんが受けるのがそれよりも先のものであれば、何かしらルールその他が変わっている可能性は十分にありますので、
ETSのTOEFLのHPを自分でしっかり確認して下さい。

なお、「TOEFL or IELTS?」のページにも書きましたが、
TOEFL-iBTの大きなデメリットの一つとして、「人によって試験の進度が異なる」という点があります。
つまり、試験前数十分くらい前から入室でき、各自用意ができ次第試験を始めて良いのです。
しかも、各セクション制限時間は決まっていますが、制限時間よりも早く終わることは全然構わないのです。
したがって、隣の席の人が開室してすぐに入室し、しかも英語が得意なのでスイスイ進んでしまった、しかも自分は試験開始時間として記されている時間ギリギリに入った上に進度が遅い、となった場合は、自分がreadingをやっている最中に隣の人がspeakingを始める、などということになってしまうことが往々にしてあるのです。
隣の人じゃなくても、同じ部屋にいるとかなり邪魔です。
これを防ぐ方法として、
①なるべく早く入室する。(しかし、readingの前、試験の一番最初になぜかマイクテストをさせられるので、なるべく早く入室しても、マイクテストの人たちには邪魔されます)
②防音素材のパーテーション付きの設備がある試験センターにする。(テンプル大学では、防音素材のパーテーションで区切られたブース型の机とパソコンが並んだ試験場があります。私はテンプル大学ではGREしか受けたことがないのですが、その時TOEFL-iBTを受けている人が同じ部屋にいたかどうかはわかりませんがまったく音は聞こえず、良い感じで集中できたので良かったです。)
というものが考えられます。

試験対策
今日本で受けられるTOEFL試験には、iBTの他にITPなどがありますが、一般的にアメリカの大学院で受け付けてくれるものは、2010年春現在、TOEFL-iBTのみとなっています。
(PBTもOKな大学院もあると思いますが、これからTOEFLを受ける人に関して言えば、PBTは日本ではすでに終了したのでiBTしか選択肢はありません)

TOEFL-iBTは以下の4つのセクションからなっています。
reading
3~5つの長文(科学や社会学などの教科書的な内容)、各700 wordくらい、各長文につき12~14問くらい。
時間はトータル60~100分くらい、問題数はトータル36~70問くらい。30点満点。

listening
4~6つくらいの講義:そのうちのいくつかはその講義についての会話付き。各3~5分くらい、各6問。
2~3つくらいの会話:各3分、各5問。
トータル60~90分くらい、34~51問くらい、30点満点。

**10分休憩**

speaking
2問:一般的なトピックについて話す。
4問:長文を読んだり、会話や講義を聞いたりした上で、それらの内容に基づいた質問に答える。
トータル20分、6問、4点満点で採点されたものが30点満点に換算される。

writing
1問:長文を読んだり、会話や講義を聞いたりした上で、それらの内容に基づいた質問に答える。
1問:あるトピックについて、自分の意見を述べる。
トータル50分、2問、5点満点で採点されたものが30点満点に換算される。


私がTOEFL-iBT対策として使ったのは、以下の本です。
早川幸治、Paul Wadden、Robert A. Hilke 著
TOEFLテストライティング問題100 (TOEFL iBT大戦略シリーズ)
TOEFLテストスピーキング問題130 (TOEFL iBT大戦略シリーズ)
TOEFLテストリーディング問題270 (TOEFL iBT大戦略シリーズ)
TOEFLテストリスニング問題350 (TOEFL iBT大戦略シリーズ)

私はとにかく時間がなかったので、「英語力をアップする」ということは捨て、「TOEFLのコツだけ身につけ、今の英語力で取れる最高得点を取る」というスタンスで勉強しました。
更に時間のない人はライティングとスピーキングだけでもいいと思います。
なぜなら、ライティングもスピーキングも、「文章を読み、それに関する会話あるいは講義を聞き、それについての質問に答える」という形の問題があり、上記の本はそのタイプの問題の対策についてもしっかり網羅しているからです。
文章も、講義や会話も、ETS系の試験の場合しっかりしたルールに則って作られているため、ライティング対策・スピーキング対策をしながら同時にリーディング対策・リスニング対策もできる、というわけです。
上記の本は読みながら、聞きながら、のメモの取り方なども詳しく書いていて、練習もさせてくれるのでとても良かったと思います。

私が一番キツイと感じたのはスピーキングでした。
スピーキングでは時間との戦いです。
問題が示され、「~秒で考えて~秒で話しなさい」という指示がでるのですが、考える時間は最大で30秒、答える時間は最大1分です。
最初の問題など、「15秒で考えて45秒で答えなさい」です。
最初の2問はごく一般的なトピックなのですが、一般的過ぎて、そういう問題に慣れていないとかなり焦ります。
例えば、私が初めて上記のスピーキング対策本を開いた時、最初の問題が「もしあなたに大きな土地を与えられたら、それを使って何をしたいですか。15秒で考えて45秒で答えなさい」という問題でした。
もちろん、かたまったまま1分過ぎました。
「これは英語の問題じゃない!日本語だって答えられない!」と思いましたが、恐ろしいもので、これも慣れです。
慣れれば、こういういわゆる「ムチャブリ」問題でも対応できるようになるものなのです。
なので、英語に自信がある人でもしっかりTOEFL対策はした方がいいと思います。

目標点数
目標点数に関しては、各大学の入試情報ページに公開されています。
学科によって違ったり、入学の最低点数とTAをやりたい場合の最低点数が違ったりする場合もあるので、気をつけましょう。
私がざっと見た感じだと、求められる最低点数はTOEFL-iBTの場合120点満点中80~100点程度だったと思います。
Caltechが100点だったので、Engineering(工学部)でそれ以上というのはきっとないんじゃないかなー、と思っています。
あと、トータルの最低点数(120点満点中100点、など)と、セクションごとの最低点数(各30点満点中25点、など)が両方求められる場合もあるので、要チェックです。
特にスピーキングで25点以上というのはかなり練習しないと大変だと思います。
TOEFLに関しては、公開されている点数というのは「求められる最低点数」ということなので、GREなどとは違い、その点数に届かない場合は足切りされると思った方がいいと思います。
(注:GREなどの点数に関しては、「最低点数」という公開の仕方ではなく、「昨年度入学者の平均点数」などの形で公開されることが多いのではないかと思います。)
ただし、様々な条件(強力なコネがある、その他)により、お目こぼしされることが絶対ない、とは言い切れないので、どうしてもその点数に届かない場合は念のため、コンタクトした先の教授や留学生課などに直接問い合わせ、交渉してみた方がいいと思います。
しかし、「求められる最低点数」はどこの大学院も似たり寄ったりなので、一つの大学院の最低点数に届かないということは他の大学院の最低点数にも届いていない可能性が高いため、なるべく100点突破はした方がいいのではないかと思います。
ちなみに、1回目のTOEFL受験の後、大して勉強しなくても複数回受けると慣れにより少しずつ点数は上がっていくもののようです。ETSの試験が「コツ」である程度対策できるということの表れですね。

ただし、TOEFLに関して言えば、「足切り点数」を超えたら後は考慮されないそうです。
つまり、100点が足切り点数の学校を受ける時、100点の人と115点の人では、合格のし易さに変わりはない、ということです。
これは信頼できるソースからの情報ではないので、出願先の教授にきちんと確認した方がいいかとは思いますが、
TOEFLの足切り点数というのは「これだけの英語力があればうちの授業や研究活動についていける」と判断し、英語力だけで不合格にするほど英語力がないかどうか、を判断するための材料であって、
高いに越したことはないが、足切り点数より大幅に高いからと言って受かり易くしてやろうと思えるほど重要なモノでもない、ということなんだと思います。

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