予防接種

2010年5月11日火曜日

求められる予防接種は学校により、州により、さまざまなようです。
私が行くことになった学校の例を、参考までにあげておきます。

必須
・はしか 2回
・おたふく風邪 2回、入学30日前まで
・風疹 2回、入学30日前まで
・水痘 2回、入学30日前まで
・破傷風 1回
・ジフテリア 1回
・B型肝炎 3回

推奨
・ヒトパピローマウイルス 3回
・A型肝炎 2回
・髄膜炎菌 1回 (寮に入る場合は必須)
・インフルエンザ 3回
・H1N1 1回

という具合です。
複数本打たなければならないものは、間に1ヵ月~半年ほどあけなければいけないものばかり。
早めに計画を立てないとかなり大変です。
しかも、これらの予防接種についての抗体検査とツベルクリン反応はアメリカ国内で実施したものしか受け付けない、という徹底ぶり。
抗体検査とツベルクリン反応については、学校に到着する前にやること、という条件ならば出国前に終わらせられるように予防接種の予定を組まなければならないし、アメリカ国内でやること、という条件ならば学校が始まる前に早めに渡米しなければなりません。
要チェックですね。

さて、予防接種は、季節性インフルエンザについてはどこの病院も秋くらいから仕入れ始めるのが普通ですが、他のワクチンについては予約を入れてから注文する、というのが普通だと思います。
そしてその場合、予約してから受けられるまで、長い場合だと2週間から数カ月も、かかってしまうものもあります。

さてそんな時には、海外留学、出張、転勤専門の予防接種病院にかかるのが楽だと思います。
私が行っているのは、日比谷クリニック(トラベルクリニック)です。
ここへは、学校側が出している予防接種リストと母子手帳を持って行き、予防接種を受け終えなければならない締め切りを伝えると、うまい具合に予定を組んで、その日から予防接種を受けさせてくれます。
つまり、「何日になになにの予防接種を受けたいです」という形の予約をしなくて良いのです。
そして英文の証明書も出してくれます。
日比谷クリニックで受けたものではない予防接種(子供の時に受けたものとか)についても、その時の証明書を出せば一緒に英文証明書に書いてくれます。
関東圏に住んでいる方にとっては超便利だし、きっと他の地方にも似たような病院はあると思うので、探して見て下さい。

渡航前準備リスト

渡航前準備は、2010年5月11日現在、まさに今私自身がその真っ只中なので、きっとこれから2010年8月にかけてこのリストは少しずつ長くなっていくでしょう。
とりあえず今のところやったこと、これからやるとわかっていることを書きだしていきます。

合格通知への正式な返事 これを出さないことには始まりません。 

予防接種 日本ではあまり子供の時以来、予防接種というのは打ちませんね。アメリカで求められる予防接種は種類も数も多いです。計画的に打ちましょう。

運転免許証の取得 アメリカは、都会でも車がないと生活しにくい場所が多い上、写真付き身分証明書にあたるものが運転免許以外にはパスポートしかないので、運転免許がないと、バーに入るだけでもパスポートをいちいち持ってあるかないといけないハメになります。

車の手配、駐車場の予約 車を買う場合はお店だけでも目星をつけておいた方が良いと思います。駐車場の予約は、大学構内の場合、行く前に予約をした方が良いようです。うちの大学の場合は8月上旬。学校によっても違うと思うので早めにチェックしましょう。車を買わない場合、Zipcarという手があります。Zipcarは大学構内にあるレンタカー屋さんで、時間計算や日計算で車を借りることができます。寮住まいの場合は毎日車に乗る訳でもないので、私は寮にいる間はZipcarで乗り切ろうと思います。(車を買う場合、購入代、保険代、車検代、駐車場代などなどでかなり出費がかさむので)

無事故無違反証明(英文) 免許試験場や警察署や交番に申請書があるそうです。この証明はZipcarの会員になるときなどに必要になるので、できれば取っていった方がいいと思います。

寮、あるいは住むところの予約 寮に入りたい場合は締め切りがあります。学校によって違うので早めに調べた方がいいと思います。

ビザ申請

合否結果

合否結果は、大抵の場合最低でも3月いっぱいには送られてきます。
ほとんどが2月末までくらいには送られてきます。
一番早い例では、私が知る限りは12月末に合格をもらった友達がいます。
私自身は一番早い結果は2月頭にもらいました。
その友達も、12月末に2つ合格をもらった以外はすべて2月以降だったようです。

アメリカの大学院には、協定のようなものがあるらしく、ほとんどの大学院が4月15日までに、正式に入学するかどうかの決定を下すように出願者に求めます。
なので、それまでに学生側が熟考できるように、3月末までにほとんどの合否が決まる学校が多い、ということなのです。
しかし、稀に4月15日を過ぎてから合否を出す学校もあります。
私の場合、9校出願した内の2校は4月15日以降、4月の下旬に連絡が来ました。
もちろん、4月上旬に正式に入学する旨の連絡を他の大学院にしていましたので、丁重にお断りしました。

合否結果が遅いと不安になるし、イライラするし、自分が考える時間が減るから嫌ですよね。
そこで、合否結果が2月下旬になっても来ない場合、とーーーーっても丁重なメールを書くことで、催促することができます。
催促のネタとしては、

1)他の大学院からの合格
2)出願してから(つまりまだ相手に知らせていない)合格した外部財団の奨学金
3)出願してからアクセプトされた論文、学会など
4)合格だったら費用自分もちでいいからrecruiting weekendに参加したい、と考えていること(「出願先の教授にコンタクトをとる(訪問)」参照)

私は2月末くらいに他の大学院からの合格、奨学金、recruiting weekendに参加したい旨を書き、第三志望の大学院にメールを出したら、メールを出してから6時間以内に合格メールが来ました。
たぶん、もともと合格は決まっていたんだけれども、3月上旬に国内学生向けのrecruiting weekendがあるのでそれの準備に忙しく、国外の学生へはそれが終わった後でいいや、ということだったんじゃないかなぁと思われます。
というわけで、"recruiting weekend"に自費で参加したい、と言うことは、相手にも「あ、やばい、早くしなきゃ」と思わせることになるし、熱心だという印象を相手に与えることもできるので、かなり有効だと思いました。

また、これは私は使わなかったのですが、裏技として、「自費で行きたいけれども、すこーーーし援助してくれたら嬉しい」と言うと、国内の学生に払う飛行機代と同じくらいまでなら援助してくれる場合が多いようです。
例えばそれで4、5万円分くらいもらえたら、そして複数校のrecruiting eventに参加することにし、それぞれから4、5万円分くらいずつの援助をもらえば、日本⇔アメリカの旅費が大体それで賄えちゃう、というつわものもいます。
しかし私は基本弱気なのでそこまでは言えず、「ホテル代は出す」と言われて「ありがとうございます~」と言うことまでしかできませんでした(笑)

出願先の教授にコンタクトをとる(訪問)

出願先の教授を訪問するメリットとしては、
1)自分の目で大学の雰囲気、研究室の環境、先生の人柄、研究室の学生さん達の雰囲気が見れる、学生さん達の裏話を聞ける
2)メールだけでコンタクトしているよりも強く自分の印象を先生に残すことができる(特に留学生がわざわざ訪問するというのはかなり珍しいらしいので)

などがあります。
私は共同研究や学会に絡めて、出願前の2009年夏に2校3研究室を訪問した他、合格が決まってから2校訪問しました。

出願前の訪問
まず、「出願先の教授にコンタクトをとる(E-mail)」に書いたような感じでメールを送り、その際に「何月のなんとか学会に参加するので、その時に是非おたくの研究室を訪問したいです」というようなことを書きました。
大抵予定が合えば調整してくれます。
ただ、8月とかだとバケーションを取る先生も多くいて、要注意なので、なるべく早め(春とか)にコンタクトを取っておき、自分のスケジュールを動かせるようにしておいた方が良いと思います。
メールだとなかなか難しい「自分の印象を強くする」ということも、わざわざ太平洋を渡ってきたともなれば結構強い印象になる気がしました。

合格後の訪問
合格後の訪問は、もし出願前に訪問しないなら絶対した方が良いと思いました。
私の場合、第一志望(出願前に訪問済み、だけどGRE Verbalの点数悪すぎて多分足切り)に落ち、そして第二~第四志望(第二志望のみ出願前に訪問済み)の自分の中の志望度数が割と近かったので、その3校に受かった時にかなり悩みました。
悩んだ理由は以下の通りです:
第二志望(Chemical Engineering):第二志望は、訪問する前まではあんまり行く気がなかった。つまり、訪問したことによる「好印象フィルター」が自分の中でかかっているから第二志望なのではないか、という疑心暗鬼。でも大学としてはランクも悪くないし、何より訪問した時の印象がすごく良かった。
第三志望(Chemical Engineering):第ニ~第四志望の中ではぶっちぎりのランク(USNews)。また、大きい学校で研究室もたくさんあるので、いろんな意味で選択肢が広い(研究室決めから就職まで)。
第四志望(Chemistry):第ニ、第三志望よりも、学校としての知名度が日本において良い。ただそれは、隣の学科に日本人の超有名な先生がいるからで、同じ学科じゃないし、どの程度就職の時に有利かは不明。

という感じでした。第三、第四志望は訪問したことがないということで、この三校のうちのどれに決めたとしても、この二校を訪問せずに決めたら、後から「もしかして訪問してたらこっちにしたかも」という後悔をしたくない、と思い、訪問することにしました。
合格後の訪問としては、"recruiting weekend"に参加する、という手があります。
recruiting weekendは、ほとんどの学校のほとんどの学科が実施していると思うのですが、週末を利用し、アメリカ国内からの合格者を費用(そこまでの交通費、ホテル代、食費)全て学科持ちで招待し、先生方とのミーティング、学校、学科の紹介プレゼン、市内観光、レセプションなどなど、それはもうべたべたに接待する、という企画です。
大抵は、2月~4月頭くらいに実施するのが普通だと思います。
しかしこれは、大抵の学校がアメリカ国内の合格者しか招待しない(留学生は飛行機代が馬鹿高いから)ため、国外の留学生にはその日取りすら知らされないのが普通です。
なので、コンタクトを取った先生に「できれば入学するかどうかを正式に決める前に学校訪問したいと思っています。予定が合えばrecruiting weekendへの参加をしたいのですが、日程を教えて下さい。旅費は自分でもちます」とメールすれば教えてもらえます。
私は、第三志望の大学しかrecruiting weekendに参加していないのですが、印象としてはただ個人で訪問するよりrecruiting weekendに参加した方が全然情報量も違うし、先輩方にもちやほやしてもらえるし、自分の同期になるであろう合格者たちと友達になれるし、いいことづくめだと思いました。
(私の場合は、飛行機代は自分でもちましたが、ホテル代や食費は学科側に出してもらいました)

学生さんたちの裏話
これは意外と重要な気がしました。
先生とのメールでのコンタクトだけでは絶対に聞けない話です。
私が聞けてよかったと思ったのは、
1)うちの研究室の先生と、○○先生(別の研究室の先生)は学科内で一番お金持ち(もちろん個人としてではなく研究室として)だから、学科内の力も強いよ。たぶん希望したらうちの研究室に入れるよ。
2)うちの研究室の先生は忙しくてなかなかミーティングもできなくて、論文もなかなか出せないよ。卒業間際になって初めての1st authorの論文が出るとか、ポスドクですら3年目でもまだ1st authorの論文出てないとか、普通にあるよ。
とか、でした。
先生と直接お話できるのは、来年度どういうプロジェクトを考えているか、ということなど、超最新の情報を聞けるというところでとても良いことですが、
私がその大学に入るかどうかということが実際どうでもいい(利害関係がない)学生さんたちの話の方が本音に近いものが聞ける可能性が高いということで役に立つことも多々あると思いました。
(上の2)なんかは、知らないで入ったらオソロシイですよね)

今はそんなに日本⇔アメリカ間の飛行機代も高くないし、recruiting weekendは予定が合わなかったとしても、個人の訪問だけでもなるべく行った方がいいと思います。約5年間過ごす学校になるわけですから。

出願先の教授にコンタクトをとる(E-mail)

2010年5月9日日曜日

出願先の教授にコンタクトを取ると、以下のようなメリットがあります。
1)その教授が学科内で影響力のある先生だったり、特にadmissions committeeに参加している先生だったりする場合には、内部から「この学生は優秀だから是非取りたい」とプレッシャーをかけてもらうことができる。
2)自分のGREのスコアやGPAが十分かどうか聞くことができる。
3)その先生が今向かおうとしている研究の方向の最新情報を聞くことができ、より良いエッセイを書くのに役立つ
4)その他、いろいろな情報を聞くことができる。

さて、私はコンタクトを取るのに以下のような手順を踏みました。
1)指導教官に、コンタクトを取りたい先生の名前とE-mailアドレスのリストを渡し、この先生方にコンタクトを取りたい、ついては私が出すメールに先立ち、指導教官に相手方の先生方にメールをして頂けたら嬉しい、ということを伝える。(⇒ほとんどの先生について快諾して下さいました)この場合、指導教官とコンタクト先の先生が面識があれば理想的だが、なくても大丈夫。
2)指導教官が相手方の先生方にメールを出すのを待ち、そのメールが送られたらすぐくらいに自分でメールを出す。
3)お返事を下さったら、メールで何度かやりとりをする。(この時点で、「電話で話さないか」と言って下さる先生もいらっしゃった。その場合はもちろん電話で)

さて、最初のメールが、これが難しいですよね。
<準備>
先生のresearch group websiteを隅から隅まで読む。
特に、research projectsのページは詳しすぎず簡潔すぎず、大まかなイメージを掴むのには逆に論文を一本一本読むよりも良かったりします。
その中で特に興味のあるプロジェクトの論文をいくつか読んだりしてもいいと思いますが、私の印象ではresearch group websiteだけでも大丈夫な気がしました。

<メール本文>
1)私の指導教官が既にメールで言及したかと思いますが、私は○○大学大学院○○研究科にアプライしようと考えています、そして先生の研究室(英語ではresearch groupとか言います)に入りたいと思っています。
2)私の名前はなんとかで、なんとか大学なんとか学部なんとか学科に所属しています。そして○○教授の研究室に入って何年目です。○○年3月に学位を取る予定です。
3)私は今までこういう研究プロジェクトを行い、
4)その中でこういうことに興味を持ったので、
5)あなたの研究室のこういうところに興味を持ち、あなたの研究室に入りたいと思うようになりました。
6)あなたの研究室で来年学生を取る予定があるかどうか、もしあるなら、来年の学生にどういうプロジェクトを用意しているか、教えて頂ければ幸いです。
7)CVを添付したので、読んで頂けたら嬉しいです。

というような感じのポイントを押さえてメールすれば良いと思います。
返信率については、
私は9人の先生にコンタクトを試み、8人の先生が返事を下さり、2人の先生が電話での会話に誘って下さいました。
お返事を下さらなかった1人は、唯一私の指導教官にメールを送ってもらわなかった先生です。
他の8人の先生方が、メールの返信速度&率がめちゃくちゃ良かったので、大丈夫だろうと思っていたらやっぱりダメでしたorz
結局あの高い返信率は私のメールが魅力的だったわけではなく、指導教官の力でした。はーあ。
その大学に関しては結局出願しませんでした。
ま、そんなことですので、指導教官に一言「うちの優秀な学生がそちらの研究室に入りたがっていて、コンタクトを取りたがっているのでよろしくお願いします」とメールしてもらえれば百万力です。

コンタクトと合否結果の関係については
志望先の研究室の先生とのコンタクトを取らずに出願したのは9校のうち1校だけ。そこは合格しました(そしてそこに行くことになりました)。
そして残り、コンタクトを取った上で出願した8校のうち合格したのは5校。
不合格だった2校のうち1校はコンタクトを取っていろいろお話を聞かせて下さいましたが「私はadmissions committeeに対しては力はないから(内部推薦などのプレッシャーはかけられないよ)」と言われてしまい、もう1校は私のひっくーいGRE Verbalスコアに難色を示され「うちの大学は全てが超高くないと難しいんだよね…」と言われてしまいました。
(残り1校は書類審査に合格し面接の案内が来た時点ですでに正式に他の大学院に行くことを決めていたため辞退)
このことからも、コンタクトを取っても受からない時は受からないけれども、取れば受かりやすくなる、という可能性も確実にあるし、コンタクトを取っていれば受かりそうか受からなさそうかは空気を読めば大体わかるから、それに応じて出願校を増やしたりという対応もできる。ということがわかりました。

ちなみに、指導教官の力を伴ったコンタクトがどのくらい強いかというと、9月にコンタクトを取った時点で、ある先生からは「大丈夫!ぜーったい受かるから!」と口約束(?)を頂くことができたほどです。
だからほんと、コンタクトは取った方がいいです!

奨学金申請について

大学院留学(博士号取得目的)のための奨学金は、数は多くはありませんがあります。
奨学金を得ることによるメリットは、
1)大学院に入りやすくなる
2)研究室配属を決める際に有利になる
3)将来の就活の際、過去に奨学金を受けていたという履歴は有利に働く

という可能性が高い、ということです。
これらは、どうして有利なのかというと、奨学金を持っているということは、第三者機関がそれだけ出願者を高く評価し、優秀である、と認めたという証拠になるからです。

ホラ、「ちょっと好きかも」と思っている女の子のことを、他の男の子が「好き好き!」と言っていると「ん、俺も好き!」って思っちゃうのと同じ!(^-^)b ……というのとは、ちょっと違うかもしれませんが(笑)
この学生、取ろうかなぁ、どうしようかなぁ、と思っているところに、「奨学金持ってますよ」と言われると、「お、そうか、日本の財団がこの学生は優秀だと判断したのか。それは優秀に違いない。是非取ろう」と思いやすいということですね。

なお、理系大学院では、大学院側(教授)が学費及び生活費(大体年間$18,000~26,000くらい)を学生に払うのが普通ですが、奨学金をもらった場合はその分は差し引かれます。

つまり、もともと大学院からのオファーが年間$26,000くらいの学校に行く学生が、日本の財団からもらう奨学金が年間$24,000の場合、大学院側は年間$2,000か、それプラスちょっとくらいしか払わないということです。
大学院側はそのようにしてお給料を引き、学生が受け取る総額のお金を、他の学生たち(奨学金をもらってない学生たち)と同じかそれよりちょっと色がついたくらいの額にするようにする、ということです。
その分大学院側としては支出が減りますので、それも相まって入学しやすい&研究室配属決めの時に好きなところへ入りやすい、ということになります。

奨学金は星の数ほどありますが、それぞれいろいろな条件がありますので注意してチェックして下さい。
私が受けているのは
平和中島財団
の奨学金です。

他には、
JASSO
Fulbright奨学金
などなどがあります。

これらの奨学金を効率的に探すには、
JASA海外進学センターの大学院留学奨学金情報リスト
大学院留学コンサルティングの日本人海外留学奨学金情報
地球の歩き方の奨学金リスト
ICC国際交流委員会の政府、民間各種奨学金リスト

などの情報があります。他にも年度によっていろいろあると思いますのでぐーぐる先生に聞いてみて下さい。

奨学金は、それぞれ条件が異なります。
分野や、出身地や、現在持っている最終学位、目指している学位、行きたい国、その他…。
そういうもので取捨選択していくと、意外とあまりたくさんは残りません。
また、締め切りも本当にそれぞれ違いますし、TOEFLのスコアを求めたり、健康診断を求めたりと、時間のかかるものを求める場合も多々あります。
また、財団で選考をする前に学内選考を求める場合もあります。その場合は当然、財団側が発表している公式締め切りよりも学内選考のための締め切りは早いですので、余裕を持って計画を立てましょう。
目安としては、大学院に入学したい年の前の年の初夏くらいから探し始め、真夏ごろには計画を立てておけたら安心だと思います。

秋入学の場合、奨学金が冬頃までに決まるというのは稀だと思います。なのでアプリケーションには間に合わないでしょう。
それでも、3月頃までに決まれば、まだ結果が出ていない大学院に対し、「この奨学金に受かりましたが、私を合格にしてくれませんか」と問い合わせるネタになります。
活用して下さい。

CV & resume対策

恥ずかしながら、私は出願の3,4ヵ月前まで「CV」というものの存在を知りませんでした。
CVもresumeも、アメリカ向け履歴書ですが、CVは研究経験などについてかなり詳しく書くのに対し、resumeはその辺をかなりあっさり書きます。

大体、大学院出願者(学部生あるいは院生)ですと、CVでA4 2,3ページ、resumeで1ページといったところでしょうか。
CVをしっかり書いておけば、CVではなくてresumeを提出しろと言われてもすぐ対応できますが逆は難しいと思うのでCVを先に用意した方がいいと思います。
(尚、ほとんどの場合「CVあるいはresumeを提出しなさい」と言われるので、CVだけで大丈夫だと思います)
日本の履歴書と違い、特にフォームなどはなく、まっさらのMS Wordを開いて自分で書いていく感じです。
項目としては、以下の通り。

1)名前
2)現在の所属先(なんとか大学大学院なんとか研究科なんとか専攻)
3)tel, fax番号、E-mailアドレス

4)Education
基本的には大学以上の学歴。新しい方を上にして書く。つまり、
2008-present 某公立大学大学院工学研究科応用化学専攻
2004-2008 某公立大学工学部応用化学科

というように。
そこにGPAや、もし学内の順位などが発表される学校であれば書きます。

5)Research Experiences
これも新しい方から順番に書きます。
私は一つのプロジェクトについて4、5行書きました。

6)Funded Research
私は、ある共同研究プロジェクトのためにファンドをもらって行った研究プロジェクトがあったので、アピールのために書きました。

7)Courses
学部(と、日本で修士を取ったなら修士のも)の授業を簡単に。私のはこんな感じです:

Liberal arts: 50 units in broad area in liberal arts including: Physics, Biology, Chemistry, Mathematics, Computer Science, History of Engineering, Philosophy, Literature, Health and Physical education, French, English (8 units, all A’s).
Major: 92 units in broad area in chemistry and chemical engineering including: Organic Chemistry, Inorganic Chemistry, Biochemistry, Analytical Chemistry, Physical Chemistry, Information Processing, English for Chemistry, Material Chemistry, Quantum Chemistry, Thermodynamics, Reaction Dynamics, Chemical Engineering Mathematics.

8)Awards and Scholarships
結構重要なんじゃないかなぁと思います。
大学がお金を出してくれる短期留学プログラムなども書いていいのかなぁと思って一応書きました:
Most Impressive Presentation Award for remarkable undergraduate thesis (2008), 某公立大学
Scholarship for study abroad program at Georgetown University (2008), Selected first on the list, 某公立大学

アハハ、"first on the list"だってー。ホントのことでも、こう書くとこっぱずかしいですねぇキャー。

9)Patents
あれば。題名と、application numberを忘れずに。

10)Publications
これ、自分が共同研究者に入っていれば1st authorじゃなくても書いていいんです。
authorsの名前と、題名と、雑誌の名前、Volume No.、Issue No.、Page No.を忘れずに。

11)Presentations
これも書きました。
学会名、場所、時、Postor No. or Presentation No.、題名、authorsを忘れずに。

12)Languages
一応書きましたが、本当に必要なのかどうかちょっと不明です。日本語のネイティブであること、英語が話せること(TOEFL-iBTの点数など)を書きました。

13)Significant Extracurricular Activities
私は部活のことや、バイトでやった家庭教師のことなどを書きました。まぁこれも、必要なのかどうかよくわからないですが…。
例えばNGOやボランティアで活動していたことがあるとか、いう人だと、書いておくとなんらかの良いことがあるかもしれません。
書いたところで何か損になるわけじゃないのでいいかなと思います。

14)References
推薦者のリストです。名前、コンタクト先(E-mailアドレスなど)など。
でも、大学院出願の場合、CVに書かなくても推薦者のデータを打ち込め、と、online applicationの中で言われるので別に書かなくてもいいかなと思います。
書く場合は、書きますよと推薦者の先生方に予め言っておきましょう。

他に自分のアピールポイントになると思うものがあれば、勝手に欄を増やして書いて良いものみたいです。
常識の範囲内でね☆

ちなみにCVは、出願する前に出願先の教授にコンタクトを取る際、メールに添付して送ると、こちらがどういう学生でどういう研究分野の経験があって、ということや、publicationやpresentationの経験歴もわかるのでとても便利なようです。
なので、出願ギリギリに作るのではなく、コンタクトするのに間に合うように早めに作りましょう。

エッセイ対策:意外とよくある落とし穴達

意外とあります、エッセイの落とし穴。
日本だったら絶対ない、と思うのですが。

<落とし穴その1:エッセイのお題目は必ずしっかりと保存しておくこと>

出願校のうちの一校は、2つのエッセイを求めるところでした。
その2つのエッセイ、仮にAとBとしておきましょう。
9月頃、エッセイ課題をチェックした時にはAとBがその学校のwebpageに載っていたのです。
そして、その学校は珍しく、エッセイをワードファイルでonline applicationのアカウントにアップロードする形ではなく、紙に印刷して郵送しなさいという学校でした(郵送で提出は9校中2校だけ)。
そして、AとBそれぞれのエッセイ課題用表紙のpdfがwebpageに載っていて、「この表紙を印刷してエッセイの表紙としなさい」ということになっていました。
しかしその時私は何を思ったか、(提出する時にpdfダウンロードすりゃいいや。)と思ってしまい、Aの表紙のpdfだけダウンロードしてBの表紙のpdfはダウンロードしませんでした。
(エッセイのお題目だけコピペしてワードファイルで管理していました)
そして、散々苦労した末、血と汗と涙の結晶のエッセイができた、さあ提出しよう、その前にBの表紙を印刷せねば…と、
再度の学校のwebpageに行ったところ、なんと!

……エッセイのお題目が変わっていました(笑)
新たにCという課題が出ていて、AとBはあとかたもなく消えていました。この時すでに12月。
仕方なく、その学科の入試課に電話し、「前にアップしていたエッセイ課題と違うんですけど」と言ったら、
「ああ、そうそう、変わったんだよね~ハハハ。新しい課題で出して」と言われました。
しかし私は納得いきません。BとCはほとんど同じ課題だったので、少し手直しして新しいお題目で出すのも可能ではありましたが、BとCはワード数制限がついていて短く、私としてはAの方に力を尽くした感じだったのでそれを破り去るのはなんとも惜しくて仕方がありませんでした。
そこで、志望先の研究室の教授に電話をし、「こうこうこうなんですけど、古い方の課題じゃダメですかねぇ!?」と言ったところ、
「ああいいよ、大丈夫大丈夫」と言って下さいました。ホッ(´▽`;;)一件落着。

しかし再度問題発生!
実はAのpdfは持っていたけどBのpdfは持っていなかった!!!Σ( ̄ロ ̄lll)ガガガーン

そこで私の取った行動とは!
⇒AのエッセイにAの表紙をつけ、BのエッセイにCの表紙をつけて提出した!

……どんだけてんぱっていたかが窺いしれるエピソードだと思われます。
しかし後からよくよく読んだら、別にpdfをそのまま表紙にしなくても、お題目と名前と受験番号さえ明記すれば別に自分で表紙を作ってもよかったんだそうです。あーあ。受かったからいいけど…。

なので、お題目(と、あればpdf)をちゃんと保存しておきましょう。
ちなみに基本的には、2010年秋入学用の出願書類(エッセイ課題含め)は2009-2010年度の始めごろ(8月-10月ころ)にアップされるのが普通で、それ以降に変更があるというのはあんまりない、ハズ…です。
でももしも、自分が書いた後に変わってたら、諦めずに交渉した方がいいです。大抵は何とかなる気がします。

<落とし穴その2:ワード数制限について>

ワード数制限がついていることがよくあります。
そして、なぜかonline applicationのシステムのワード数制限が謎なこともあります。
「250ワードまで」となっているエッセイ課題について、MSWordソフトなどでワード数チェックをしながら書き、「249ワード!自分天才~」などと喜んでアップしようとしたら「ワード数超過」などとエラーが出てしまい、結局削りに削ってMSWordソフトカウントで210ワードくらいまで削って提出した、というようなこともあります。
これは「事前に気をつける」ということができないのでどうしようもないのですが…。ま、そんな感じです。
そういうことがあっても慌てないようにしましょう。

エッセイ対策

<ブレーンストーミングの練習>
とりあえずGraduate Admissions Essays: Write Your Way into the Graduate School of Your Choiceを見ながらブレーンストーミングの練習しました。
この本には、ブレーンストーミングのお題だけではなく、コツやアドバイスなども書いています。
例えば、少なくとも一つのトピックについて半ページは書け、とか、誰もこのメモを見ることはないのだから、見栄を張ることはない、自分の本心を書け、とか。
これはエッセイ用に頭を柔らかくするのに結構重要です。
そんなに時間のかかるものでもないのでちゃちゃっとやっちゃった方がいいと思います。

<エッセイ書きの準備のためのブレーンストーミング>
まず、志望校のエッセイのお題たちを集めます。
そのうちのいくつかは、エッセイのお題達で紹介したように、ただ、「エッセイを書け」としか書いていない場合もあるので、そういうのはとりあえず横に置いておき、
細かくいろいろ指示しているものに注目しました。
例えば私の場合は、Chemistryの2校目がかなり細かく指示されていると思ったので、それをまず、エレメントごとに分割し、それぞれのエレメントについてブレーンストーミングをしました。
例えば、

1つ目
Write an Academic Statement of Purpose to indicate your reasons for pursuing this particular degree and program and to address how you feel your academic preparation applies. Please also include a section regarding your career aspirations. This application requirement has a 500 word maximum, but one page may be sufficient.

2つ目

Please tell us more about your background and plans. Write an essay that discusses the following topics and/or those that are relevant to you. (Essays assist program staff in making decisions about admissions and funding.) List any honors, awards, scholarships, or fellowships you have held; describe your foreign language training or proficiency; list any minor fields of study you have undertaken; describe any other experience you have had that might be relevant to your graduate work - teaching, research, professional or work experience, military service, etc.; discuss your career plans and goals, any specialization within the field that interests you, and your reasons for wishing to undertake graduate study in your field at ○○大学。

という具合でしたので、
1)Academic Statement of Purpose to indicate your reasons for pursuing this particular degree
2)and program
3)and to address how you feel your academic preparation applies.
4)career aspirations.
5)Please tell us more about your background
6)and plans.
7)List any honors, awards, scholarships, or fellowships
8)describe your foreign language training or proficiency
9)list any minor fields of study
10)describe any other experience you have had that might be relevant to your graduate work - teaching, research, professional or work experience, military service, etc.
11)discuss your career plans and goals
12)any specialization within the field that interests you
13)and your reasons for wishing to undertake graduate study in your field at ○○大学。

という感じで、13項目に分けました。
このうち、被っているトピックがいくつかありました。
他の学校でも、複数のエッセイを求めていながら、それらの複数のエッセイのうちで求めているものが被っていることはありました。
その場合、片方はサラッと書き、片方に詳しく書く、という感じでやりました。
あと、あまり堅く考えすぎない方がいいかもしれません。
私は日本で奨学金を受けたことはありませんが、大学主催の語学留学プログラムで1ヵ月アメリカに行きました。その時費用はほとんど大学側が払ったので、上記の7)に含めアピールしました。
また、学部生時代、部活動としてオーケストラで活動していましたので、副科は取っていませんでしたがオーケストラでこれだけ頑張りました、というのを9)に含めアピールしました。
(パートリーダーとしてチェロパートをまとめた、とか、運営役員として部活の中心として引っ張っていったとか)

<エッセイ第一稿作成>
上記でブレーンストーミングをした内容を文章にまとめる作業です。
別にお題目に出てきた順番通りにエレメントを並べなければならないというルールはないので、自分のブレーンストーミングのメモを見ながら、なるべくわかりやすく一つの流れになるようにエッセイをまとめました。
上記に挙げたものほど細かく指示してあるものについて最初の第一稿として書くと、その後他の大学院が求めているものの大半がカバーできます。
なので、それをテンプレ的に用いて後は各大学特に求めているものをつけたし、研究計画について大学にいる教授に合わせて書き直し、いらないものを省き、出来上がったものの流れを、パラグラフを入れ替えたりして整え、という程度で大体大丈夫だと思います。
なので、最初の第一稿は結構重要だと思っておくべきですね。

<人に見てもらう>
第一稿の後、自分で何度か手直しし、その後は人に見てもらった方がいいです。
私は、
1)アメリカ人の英語の先生(文系)
2)同じ学科の友達でESS元部長
3)アメリカの某超有名工科大学大学院生の日本人の先輩(学科は違うけど工学部)
に見てもらいました。
やはりいくら英語が得意でもネイティブ・ノンネイティブの違いはありますので、ネイティブに見てもらうというのは重要ですし、
研究計画やキャリアプランなども書く以上、同じ学科の友達に見てもらうというのも必要だと思いましたし、
実際にアメリカの理系大学院に応募し合格したことのある先輩に見てもらうというのもかなり重要だと思いました。
そこでいろいろと意見を言ってもらい、3)の先輩にはカッコイイ英語表現なるものもいろいろ伝授して頂き、
「自分的最終稿」を作り上げて行きました。

<プロに見てもらう>
これは人によると思います。
お金があればプロに見てもらった方が安心な方は、EssayEdgeなどに見てもらってもいいと思います。
EssayEdgeは理学部、工学部など、学部も選べますし、丁寧に細かく添削してもらえて、評判もいいです。
(尚、ビジネススクール・ロースクール・メディカルスクール用のエッセイ添削もしているようです)

エッセイのお題達

2010年5月7日金曜日

エッセイ対策第一弾として、私が受けた大学院たちの「お題」群を紹介します。
私はChemistryとChemical Engineeringしか受けていませんので、偏りがあるかとは思いますが、出願しようとしている年(入学の前の年)の春頃から始めるブレーンストーミングのネタくらいにはなるんじゃないかと思います。

Chemical Engineering-1校目

Provide a brief statement of your scientific and professional interests and objectives. Include a description of your past accomplishments that are not evident from the examination of the other documents submitted. Report, if applicable, on any research in progress. List any membership in scientific, professional, or honorary societies. The applicant must write the statement in English. It must not be written in another language and translated for the applicant by another person.

Chemical Engineering-2校目

お題なし。(Upload your statement of purpose、とかなんとか。それだけ)

Chemical Engineering-3校目

お題なし。(Compose a Personal Goals Statement in a word processing document and upload it here)

Chemica Engineering-4校目
お題2つあり。
1つ目

Briefly tell us about your research interest. Be sure to list preferred research area(s), and indicate how strongly focused or flexible your research interests are.

2つ目

Please describe your objectives in seeking an advanced degree. For example, please include information regarding what you want to do five or ten years from now, and your interest in industry or academics as a career.

Chemical Engineering-5校目
お題3つあり。(記憶が正しければそれぞれ250ワード以内)
1つ目

What are your strengths with regard to completing a graduate degree at ○○大学?

2つ目

What do you consider to be your weakness?

3つ目

What do you plan to do after you have completed your graduate degree?

Chemistry-1校目

A 500-word Academic Statement of Purpose is required for application to your selected First Academic Program. The personal statement should address your intellectual interests, academic and professional objectives, and proposed topic(s) of graduate study.

Chemistry-2校目
お題2つあり。
1つ目

Write an Academic Statement of Purpose to indicate your reasons for pursuing this particular degree and program and to address how you feel your academic preparation applies. Please also include a section regarding your career aspirations. This application requirement has a 500 word maximum, but one page may be sufficient.

2つ目

Please tell us more about your background and plans. Write an essay that discusses the following topics and/or those that are relevant to you. (Essays assist program staff in making decisions about admissions and funding.) List any honors, awards, scholarships, or fellowships you have held; describe your foreign language training or proficiency; list any minor fields of study you have undertaken; describe any other experience you have had that might be relevant to your graduate work - teaching, research, professional or work experience, military service, etc.; discuss your career plans and goals, any specialization within the field that interests you, and your reasons for wishing to undertake graduate study in your field at ○○大学。

Chemistry-3校目
お題2つあり
1つ目

Personal Achievements/Contributions: ○○大学 is interested in a diverse and inclusive graduate student population. Please describe any aspects of your personal background, accomplishments, or achievements that you feel are important in evaluating your application for graduate study. For example, please describe if you have experienced economic challenges in achieving higher education, such as being financially responsible for family members or dependents, having to work significant hours during undergraduate schooling or coming from a family background of limited income. Please describe if you have any unusual or varied life experiences that might contribute to the diversity of the graduate group, such as fluency in other languages, experience living in bicultural communities, academic research interests focusing on cultural, societal, or educational problems as they affect underserved segments of society, or evidence of an intention to use the graduate degree toward serving disadvantaged individuals or populations.

2つ目

Statement of Purpose: Give a brief statement outlining your reasons for undertaking a graduate program, your particular area of specialization within the major field, your past academic work, and your plans for future occupation or profession. Also
include any additional information that may assist the selection committee in evaluating your preparation and aptitude for graduate study at ○○大学。

Chemistry-4校目

Statement of Purpose. Explain your educational and professional objectives, the types of research you find most interesting and/or have been directly involved in, and why you believe you will succeed as a graduate student in our program.

こうやって見ると、Chemistryの方がChemical Engineeringよりもエッセイのお題真面目に考えてますねぇ…(笑)

推薦状について

これは結構難しいです。一連のアプリケーション対策の中で一番難しいと言ってもいいかもしれません。
なぜなら、一番時間がかかるということと、自分一人では完成させることのできない唯一のアプリケーションマテリアルだからです。

<推薦者の選び方>
これは本当に、人それぞれだと思います。参考までに、私の推薦状を書いて下さった3人の先生方を紹介します。

1)研究室の指導教授

指導教授を選ばない人はいないのではないかと思います。
しかし、指導教授だからと言って自分の研究室の学生全員についてよく知っているかというと、そうでもないケースもあると思います。
特に20人など、学生数の多い大きい研究室の場合、積極的に自分の研究などについて質問や議論に行かない人については自然と印象が薄くなるものです。
できれば教授の直下になるべきだと思いますが、なれなかった場合でも、物怖じせずにどんどん行くべきです。
また、ゼミなどで積極的に発言するのも有利だと思います。
アメリカでは発言しない者はいないものとみなすなどと言いますから、日本語でできなければ英語でもできないと思い、練習のつもりで頑張るといいと思います。

2)学科長あるいは学部長

私の場合、私の学部4年間&修士1年間学部長を勤めていらした先生がたまたま同じ学科だったので、学部長にお願い致しました。
学部長や学科長の先生の授業は学部の時から積極的に取り、良い成績をもらえるように頑張った方がいいと思います。
私は(元)学部長の授業を学部の時に4~5個取り、全てで優を頂いたので、推薦状のお願いをした際にはその点を強調しました。

3)特に良い成績を取った授業の先生&短期留学プログラムの担当だった先生

私は修士1年の時、ワシントンD.C.のジョージタウン大学で行われた1ヶ月間の短期語学留学(11人参加)に参加しました。
そのジョージタウン大学で、「そうだアメリカの大学院に行こう!」と思い立ったのです。
参加申し込みした時には全くアメリカに大学院留学をするなどということは頭をよぎりもしていませんでしたが、申し込みの際のTOEFL-ITPの点数はその時受験した人たちの中で一位でした。
更に運の良いことに、その短期留学プログラムの担当がうちの学科の先生でしたので、その先生に推薦状のお願いをすることにし、推薦状のお願いをした際にはその点を、いくつかの強調する点の中の一つに含めました。
また、その先生の授業も学部&修士課程でいくつか取っていて、全てで優を頂いたので、それも強調しました。

4)その他の可能性

私は上に挙げた3人の先生方に推薦状をお願い致しましたが、その他に考えられる可能性としては、例えば共同研究先の教授、なども考えられるのではないかと思います。
いずれにせよ、少なくとも一人は世界的に有名な先生を含めることができたら理想的だと思います。

<先生方とお近づきになる>

先生方とお近づきになるには、積極的に質問に行く、というのが一番だと思います。
私の場合、学部生の時にはアメリカに行くことは髪の毛の先ほども考えていませんでしたが、
同じ授業を受けている同級生達を信頼していませんでした。
……と言うと語弊がありますかね…。つまり、私が受けている授業と同じものしか受けていなくて、しかも私は自分の最大限真面目に授業を受けている、と思っていたので、私と同じ程度かそれ以下にしか真面目に受けていない同級生達が私よりも大幅に深く授業を理解しているとは考えにくかったのです。
しかも、友達に聞いて答えが得られたとしてもそれが本当かどうかははっきりしないことが多い。
間違ったまま覚えてしまうリスクに私は耐えられず、先生のところに質問に行き始めました。
その結果、「まぁそんな勉強ばかりしていないでチョコでも食べなさい」とフランスのチョコを出して下さる先生もいらっしゃれば、「わたしは忙しいんだ~~~」と全速力で逃げられた先生もいらっしゃいました(笑)(←コレ、本当(笑))
まぁ、大体の先生は顔と名前を覚えてくれて、「熱心だな、いい生徒だな」と思って下さるのが普通です。
なぜなら、足しげく質問に行く学生が少ないからです。学部生が質問に行くのはかなり珍しいので印象に残りやすいと思います。(日本国内限定)
そして、今思うと稚拙な質問も多かったと思いますが、「何でそんな簡単なこともわかってないんだ」と怒られたことは一度もありません。大丈夫。

<推薦状を見る権利について>
アメリカの大学院の推薦状提出のシステムは、大抵以下の通りです。
まず、online applicationのアカウントを作り、自分の個人情報を打ち込む

最後の方に"recommendation letters"のページがあります。
そこに、推薦者の名前、E-mailアドレス、職場の名前と地位(○○大学、教授、とか)を書きます。

そうすると、自動的にシステムがその推薦者にメールを送り、推薦者は推薦状フォームを埋め、推薦状を送る。

という流れです。
推薦状フォームというのは、2つしか見たことがないので詳しくは知りませんが、
「今まで教えた学生の中での、この学生の優秀度を選んで下さい 上から10%以内 上から30%以内 ………」
などなど、細かい質問に答える欄があることが多いようです。

で、そのonline applicationで推薦者のデータを打ち込む時、「推薦状を見る権利を放棄しますか?」という質問が出てきます。(受験生が答えるものです)
アメリカには法律だかなんだかがあって、推薦状を見る権利が学生には与えられてるんだそうです。
これを放棄するべきかどうか?
かなり難しい質問ですよね。

放棄すれば、何を書かれるかわからない。アメリカの某超有名大学を卒業し、同じくアメリカの某超有名工科大学大学院に進学した友達がいますが、彼は学部4年生の時に大学院にアプライした際、頼んだ推薦者の一人が「この学生は良くない」という内容の推薦状を書き、すべて落ちてしまいました。
結果彼は、大学卒業後の1年間を棒に振り(出身大学の修士課程に通い)、次の年に別の推薦者にお願いして、無事大学院に合格することができました。
最初の年、彼は推薦状を見る権利を放棄しましたが、推薦者の一人が悪い推薦状を書いたというのは彼の指導教官づてに聞いたそうです。

しかし放棄しなければ、出願先の大学院は、その推薦状を100%鵜呑みにするでしょうか。
ある程度差し引いて受け取られると、Donald Asher 著 Graduate Admissions Essays: Write Your Way into the Graduate School of Your Choiceには書いてあります。
実際受け取り方は入試担当教員一人一人違うとは思いますが、放棄しない、ということでその学生と推薦者との間の信頼関係や、推薦者は本当に素で書いたのか、というようなことをちらりと疑ってしまう気持ちになるのが人情じゃないでしょうか。

ということから、「絶対自分は気に入られている!」と自信を持てる先生方3人に推薦状をお願いした上で、権利を放棄するのがいいんじゃないかと思い、放棄しました。

<推薦状をお願いする際に用意するもの>
指導教官にお願いする際には特に用意するものはありませんでしたが、
指導教官じゃない先生にお願いする際には最低でも以下のものがあるといいんじゃないかと思います。

1)今までの研究テーマの要約
2)今まで出した論文リスト及び論文そのもの(たぶん「リスト」を作るほど論文が出ている人はほとんどいないと思いますが(笑))
3)今まで参加した学会発表のリストと、その時の予稿
4)今まで参加した短期留学や何らかのプログラムがあれば、それについての説明(特に、その短期留学などに参加する際何らかの選抜があった場合は、「何位で通ったか」)
5)学部時代(&あれば修士時代)の成績証明書
6)その先生の授業で自分が取ったもののリストとその時の成績
7)受けたものがあれば、奨学金の詳細
8)その他、自分がアピールして欲しいと思うもの

ref)、Donald Asher 著 Graduate Admissions Essays: Write Your Way into the Graduate School of Your Choice

GRE Subject対策

2010年5月4日火曜日

<そもそも、本当に必要かどうか?>
GRE Subjectがそもそも本当に必要かどうか、ちゃんと調べましょう。
例えば、Chemistry(理学部化学科)ではGRE Chemistryが必要なことが多いですが、Chemical Engineering(工学部応用化学科)ではまず必要ありません。
でも、日本では大学入試も大学院入試も、理学部化学科と工学部化学科で、科目的にはほとんど同じなことが多いので、(アメリカでもそうだろう)と勝手に思いこんでしまいました。
9校受けた内の4校はChemistryで受けたのでGRE Chemistryは提出しましたが、5校はChemical Engineeringで受けたのでGRE Chemistryは不要で、入ることになった大学もChemical Engineeringなので結局あの時のGRE Chemistryに費やした時間は無駄になったということです(しばらくやっていなかった研究分野外で習ったことを思い出したという意味ではまるっきりマイナスではありませんでしたが)。
また、同じChemistryでも必要な学校と不要な学校があります。
"strongly recommended"となっている場合も、どの程度のstronglyなのか、志望先の教授にしっかり確認しましょう。

<試験対策>
GRE Generalはほとんどの大学院で必須です。
(少なくとも私が受けた9校の中で「GRE Generalはいらない」という学校はありませんでした)
しかし、GRE Subjectは学科や学校によって、必要だったり不要だったり、違うのでよく確認して下さい。

GRE subjectは990点満点、その種類は以下の通りです。
•Biochemistry, Cell and Molecular Biology
•Biology
•Chemistry
•Computer Science
•Literature in English
•Mathematics
•Physics
•Psychology

それぞれの試験の内容について書いていると長くなりすぎるので割愛します。
ETSの公式HPのGRE Subjectのページに詳しく書いていて、それぞれの練習用模擬試験が1回分ずつ、PDFでダウンロードできるようになっています。

GRE Generalについての参考書や問題集はたくさん出ているのに、Subjectについては全くと言っていいほどありません。
あるのは、

Princeton ReviewのCracking the GRE ○○ Testシリーズ(○○の中にはChemistry、とか、学科の名前が入ります)
例:Cracking the GRE Chemistry Test, 3rd Edition (Graduate School Test Preparation) (ペーパーバック)

私は使ったことないけど、
KaplanのGRE Subject Testシリーズ
例:Kaplan GRE Subject Test: Biology

GRE ○○ with TestWare (REA)シリーズ
例:GRE Chemistry with TestWare (REA) 4th ed. (Test Preps)

くらいですかね、今調べた限りで見つかったのは。
私はPrinceton ReviewとETSの模擬試験一回分しか手に入らなかったのですが(KaplanはChemistryが出ていないのでともかく、REAは存在自体知りませんでした…。ガガーン。今更…。)、
やはりそれだけだとどうしても練習不足感が強く出てしまいます。
GRE Subjectは広く浅く、という試験なので難しくはないのですが、得意分野が偏っているとちょっと辛いです。
時間があれば手持ちの教科書で広く浅く勉強し、上にリストアップしたような本で勉強する、というのがいいと思います。
英語の専門用語や問題の出し方に慣れるため、洋書のものを最終的には使うべきです。絶対。
そして、GRE GeneralやTOEFLなどで痛感したように、ETS系の試験は本当に試験に癖があるというか、「コツ」をつかむのがすごく重要だと思うので、PrincetonとETSの模擬試験だけだと不十分だと思います。
問題慣れするためにKaplanあるいはREA、あるいは両方買って問題練習するのが重要だと思います。
ちなみに私は1回目は700点、2回目は670点でした…あぁ恥ずかしい。

<試験会場>
年中ほとんどいつでもやっているGRE Generalと違い、Subjectは年に3回しか行われません。
2009-2010年度に関しては、10月、11月、4月のそれぞれ頭に行われました。
会場は、10月と11月は福岡と沖縄のみ、4月は福岡、沖縄、東京で行われました。
日本での会場は年度によって大分違います。
私は2008-2009年度に2回受けたのですが、その年度は福岡、沖縄、札幌でしか行われませんでした。
そのため、1回目は札幌、2回目は福岡に泊まりがけで行くハメになり、関東在住のビンボー学生としてはかなり辛かったです。
何年か前には仙台であった、とかいう噂もありますが…。
2010-2011年度に関してはまだ発表されていないですが、自分の住んでいる近くで試験が行われる場合はさっさと受けてしまった方がいいと思います。
GRE関係は5年以内のスコアならOKですし、次年度もそこのテストセンターでやるという保証はないので。

それで、自分の住んでいる近くで試験がない場合ですが、一応、自宅から一番近いテストセンターまで125マイル以上ある場合にはsupplementary test centerで受けるという手段があります。
しかしこれ、すんごいめんどくさいんですよね。

私が初めてGRE Subjectを受けようとしていた2008年秋、日米教育委員会にsupplementary test centerとして東京で試験を実施してもらえる場所を問い合わせたところ、可能性があるのはテンプル大学日本校のテスティング・サービスだけだと言われました。
そしてテンプル大学日本校に問い合わせたところ、費用が結構高いと言われました。(詳しくはこちら)
で、しかも、supplementary test centerで受ける場合には普通のテストセンターで受ける場合に比べ、申し込み期限が2週間も早くて、手続きも面倒で、ということから、私は結局泊まりがけで遠くのテストセンターまで受けに行くことにしました。
もし締め切りまでにまだ時間がある、泊まりがけで試験を受けるのはつらい(基本的に土曜日で、朝からなので、金曜に学校や仕事があると難しいですよね)、などの方は、supplementary test centerを頼むというのも手だと思います。


GRE General Analytical Writingセクション対策

2010年5月3日月曜日

このセクションは6.0点満点です。
2問あるのですが、それぞれを6.0点満点で2人の採点者が採点し、平均して点数を出すそうです。
Analytical Writingが導入されてからまだ年数が浅い(VerbalやQuantitativeに比べて)ので、まだそこまで重視されていないらしいです。
それでも、3.5くらいは取れるといいと思います。
私は1回目は3.5、2回目は4.0でした。

問題の種類は以下の2つです:
1問目 Issue task:一文くらいの長さの文を読み、それについて考えること(大抵の場合、賛成か反対かの立場に立って)を議論する。
例としては、
Present your perspective on the issue below, using relevant reasons and/or examples to support your views.
"Important truths begin as outrageous, or at least uncomfortable, attacks upon the accepted wisdom of the time."
という感じになります。
賛成派反対派に分かれて議論するタイプのディベートに慣れている人には簡単でしょう。
それでも、そういうディベートをしたことのない人でも、練習すれば大丈夫です。
なお、1問目は2つ問題があるうちの一つから選んで答えます。

2問目 Argument task:5行程度の文を読み、その文の論理が通っているかどうかについて議論する(大抵は3つ4つ議論に穴があるので、それを見つけて指摘し、「自分ならこうする」と、改善の方法について議論する)。
例としては、
Discuss how well reasoned you find this argument.
"A recent study shows that people living on the continent of North America suffer 9 times more chronic fatigue and 31 times more chronic depression than do people living on the continent of Asia. Interestingly, Asians, on average, eat 20 grams of soy per day, whereas North Americans eat virtually none. It turns out that soy contains phytochemicals called isoflavones, which have been found to possess disease–preventing properties. Thus, North Americans should consider eating soy on a regular basis as a way of preventing fatigue and depression."
という感じです。
これも、議論の穴の開き方というのがETSの場合パターンが決まっているので、それさえ押さえればOKです。
2問目は、1問しか出題されないので選択の余地はありません。

対策方法としては、
①ref. 1の本に、1問目の議論の仕方、2問目の議論の穴の見つけ方などについてわかりやすく説明してあるので、それを押さえる。

②同じくref. 1の本に、ライティングの文章の組み立て方についてわかりやすく説明してあるので、それを押さえる。

③ETSの公式HPに既に問題が発表されているので、そのうちのいくつかを用いて、①②で勉強したことを踏まえて練習してみる。
Issue task
Argument task

④ETSから出ている公式練習用ソフトウェアScoreItNow!を使って練習する。
これは一回13ドルですが、1問目と2問目がセットになっていて(つまり試験一回分)、自分が書いたライティングの作文をコンピューターがその場で採点してくれるというソフトです。
ソフトとは言っても普通にネット上で購入してその場で使えます。
私は1回目の試験の前にScoreItNow!で3.5が出て、試験本番でも3.5で、
2回目の試験の前にScoreItNow!で3.5が出て、よく復習して試験本番では4.0でした。
細かくスペリングや文法の間違いなども指摘してくれるし、3.5点程度相当の模範解答はこんな感じ、4.0点程度相当の模範解答はこんな感じ、という風に0.5点刻みでの模範解答も全て提示してくれるので、すごく納得できます。(6.0点満点相当の模範解答は文学的過ぎてあまり参考にはなりません(笑))
これは、自分の今の位置を知るためにも試験前に一度はやっておいた方が良いと思います。
試験本番のスコアは5年間残りますから、ScoreItNow!で点数があまり酷ければキャンセルして練習してちゃんとするまで待つ、という手も使えるわけです。

ref. 1
アゴスジャパン 著
アゴス・ジャパン改装版 大学院留学GREテスト学習法と解法テクニック

ref. GRE公式HP

ここにはトップやアーカイブページで省略される(記事単独ページでだけ表示される)文章を書きます。

GRE General Quantitativeセクション対策

このセクションは特に対策する必要はないと思います。
このセクションは800点満点です。
「数学」ではなく、完全に「算数」です…中学受験の時の方がGREよりよっぽど難しい算数の問題が出ました。本当。
どのくらい簡単かというと、

A: (-6)^4 (-6の4乗)と B: (-6)^5 (-6の5乗)について、以下から選びなさい。
1. Aの方がBよりも大きい
2. Bの方がAよりも大きい
3. AとBは同じ大きさ
4. 与えられた情報ではAとBのどちらが大きいかは判断できない

というような問題が大真面目な顔して出るのです!これ、冗談じゃなくて本当の話。

なので、私がやったことはref. 1の本で問題の種類とコツ(というか特徴)をざっと読み、Quantitativeセクションについての章の最後についている「GRE Quantitativeでよく出る単語」を頭に入れたくらいです。
(単語というのは全然難しい単語ではないし、量も少ないのですが、知らないと問題の意味がわからない、という残念なことになるので、大した労力ではないのでそれは押さえておいた方が良いと思います)
余裕があれば、ETSから送られてくる模擬試験DVDで1回分練習するくらいで充分でしょう。

ただし、要注意なのは、GRE GeneralはVerbalもQuantitativeも問題数が多い割に時間が短いということです。
模擬試験で時間配分が難しいと感じた場合は、何度か模擬試験を練習してみる必要があるでしょう。
ちなみに、留学生、特にアジアからの留学生はVerbalには弱いがQuantitativeには強い、というのが当たり前で、800点満点中800点満点で当然、という扱いを受けます。
(私は1回目が790点、2回目が800点でした)
なのでつまらないケアレスミスに注意しましょう。

Quantitativeの問題は、以下の3種類です。
Quantitative Comparison
数式や、図や、文章を見せられ、その中でAとBという数値があります。
図だったら、三角形の角の角度とか。

AとBの数値の関係について、以下の4つから選びなさい。
1. Aの方がBよりも大きい
2. Bの方がAよりも大きい
3. AとBは同じ大きさ
4. 与えられた情報ではAとBのどちらが大きいかは判断できない

という問題です。例としては、上記に挙げたような問題があります。

Problem Solving
ごくごく短い文章題のようなもので、その中の問われた値を5つの選択肢から選びます。
例としては、
If 3x - 2 = 7, then 4x =
1. 3
2. 5
3. 20/3
4. 9
5. 12

などがあります。答えは5ですね。

Data Interpretation
与えられた表やグラフについて、2~5問程度の問題があります。
ちょっと長いので例題は省きますが、①や②と同じ程度のレベルの問題です。

繰り返しになりますが、問題のレベルは非常に簡単ですが、問題数がやっぱりかなり多いです。
なので、時間配分がちゃんとできるように、ということと、日常会話や普通の本ではなかなか出てこない、数学特有の英単語だけ頭に入れておくこと、だけちゃんとすれば800点はすぐ取れると思います。
あまりないですが、「verbalとquantitative合わせて1200点以上」などの要求の仕方をする大学院も、私が出願した中にはあったので、quantitativeだけでもしっかりアピールできるように、取りこぼしがないようにした方がいいと思います。

ref. 1
アゴスジャパン 著
アゴス・ジャパン改装版 大学院留学GREテスト学習法と解法テクニック

ref. GRE公式HP

GRE General Verbalセクション対策

このセクションは800点満点です。
GRE Verbalは、英語を母国語としない留学生の場合重視しない、という説もあります。
しかし、学校によって様々です。
足切り的に使う学校もあります。志望先の教授に聞くのが一番確実ですが、教授でも知らない場合も多いです(今年のadmission committeeに参加していない場合は、確実なことは言えません)。
しかし、310点でMITとか、370点でCaltechとかに入ったという人の話も聞きますので、そんなに気に病むほど心配しなくても良いのかな、という気はします。
400点、語彙力に自信のある人は500点を目標、くらいでいいんじゃないでしょうか。
ちなみに私は1回目は310点、2回目は380点でした。
尚、アメリカで学部を卒業した人はアメリカ人と同じとみなされるそうですので、500点以下はまずいと思います。

GRE General、Subject両方に言えることですが、過去5年以内のスコアが全て記録され全て大学院側に送付されてしまうので、何度も何度も受けると、「この人は本来の研究や専門の学問よりGREのスコア上げばかりに執着している」と思われてあまり印象が良くないそうです。(ref. 1)
とは言え、「2回受けた」という人の話はとてもよく聞きますので、2回くらいまではいいんだと思います。3回目くらいから悩んだ方がいいかもしれません。

Verbalの問題は、以下の4種類です。
Analogies
これは、「A:Bという2つの単語と同じ関係を表しているものを以下から選びなさい。1. C:D 2. E:F 3. G:H 4. I:J 5. K:L」という形の問題です。
例えば、
COLOR : SPECTRUM
1. tone : scale
2. sound : waves
3. verse : poem
4. dimension : space
5. cell : organism
という具合です。この場合、答えは1ですね。

Antonyms
これは、問題に出された単語の反対語を5つの選択肢から選ぶ問題です。
例えば、
DIFFUSE:
1. contend
2. concentrate
3. imply
4. pretend
5. rebel
という具合です。この場合、答えは2ですね。

Sentence completions
これは、短いセンテンスに1~2単語の空欄があり、それにあてはまる単語を5つの選択肢から選ぶ問題です。
なぜか、2個目から選んだ方が楽な場合が多いです。
例えば、
Early______ of hearing loss is ______ by the fact that the other senses are able to compensate for moderate amounts of loss, so that people frequently do not know that their hearing is imperfect.
1. discovery . . indicated
2. development . . prevented
3. detection . . complicated
4. treatment . . facilitated
5. incidence . . corrected
答えは3です。

Reading Comprehension
これは、長文を読み、それについての質問に答える問題です。
長いので例題は示しませんが、単語的にかなり難しいのは①~③と同じくらいです。
時間との戦いなので、④に時間を取られ過ぎないようにしましょう。

尚、Verbalでは、①のタイプがまとめてたくさん出てきて、次に②がたくさん、③がたくさん、④がたくさん、で終了、という形ではなく、①が4問くらい、②が4問くらい、③が4問くらい、④が長文一個分、そしてまた①が4問くらい、②が4問くらい…という具合に出てきます。
なので結構時間配分が大変です。
紙の試験と違うのは、最初にぱーっと見て、とか、簡単そうな問題から、とかいうことができない点にあると思います。

Verbal対策には主に以下の2つの点が重要です。
語彙力UP
Sharon Weiner-Green, Ira K. Wolfe 著 GRE: 2009 (Barron's GRE)に、「よく出る3500語」のリストが載っています。
単語、意味、例文、類語などが載っていて、各語2~3行ですが、そのリストだけで120ページ。
読むだけでもかなり大変です。
私が先輩に教えて頂いた方法は、リストをコピーして、はさみで切りカードみたいにしてごちゃごちゃにし、一日120単語覚えれば一カ月で覚えれるよ。という方法でした。
私は、1回目の受験後、私なりに頑張りましたが、全然無理でした。
しかもすっごく頑張ったのに、頭には全然入っていなかったようで、半分くらい頑張った後にテキストについている模擬試験をやったら310点で、全然成長していませんでした。
しかし、これを全部覚えるとGREの試験でわからない単語はない、というほどになるそうです。
なので、暗記力に自信がある人はやった方がいいと思いますが、暗記力の無さに自信がある人は時間の無駄なのでちょっとやって無理そうだったらさっさと諦めましょう。
ちなみに、GRE General Verbalセクションの単語リストはすっごくマニアックなものばかりのようです。
なので、知らないと留学してから日常生活に困る、とかいうことは絶対ないと思います。
(アメリカ人司法試験受験生の友達が、「半分も知らない」と言っていました(笑))

GRE Verbalの試験のコツをつかむ。
こっちの方が全然重要です!
①が無理で、模擬試験で310点を取った後、「試験のコツ」の勉強をref. 2の本を使ってやったら、一気に模擬試験で400点までUPしました(その間語彙力UPの勉強は全くしていません)。
ref. 2の本にまとめられている「コツ」というのがどのくらいスバラシイかと言うと、例えば、
「Aという単語の反対語を以下の5つから選びなさい。1. B 2. C 3. D 4. E 5. F」という問題があるとしますね。
その場合、「A」という単語を知らなかったら、心の中では(ハイ、終了~)と諦めてしまい、テキトーに選んでしまう、ということになってしまうのが普通ですよね(少なくとも私はそうでした)。
しかし、ref. 2の本では、「そういう場合でも諦めてはいけない。1~5の選択肢の中で、一番反対語がありそうな単語を選びなさい」と書いているのです。
これは意外と効果があります。なぜなら、5つの選択肢のうち、少なくとも2つか3つくらいは「曖昧な、いかにも反対語がなさそうな単語」だからです。
1つでも2つでも、選択肢を消すことができれば、正答率をぐんと上げることができるでしょう。
ref. 2の本はそういうたぐいの「コツ」を説いています。
実際私はコツ対策だけで70点UPしたので、諦めずにこれだけは絶対やって下さい!

GREから送られてくるDVDで試験の練習をする。
これは公式模擬試験とでも言うべきもので、練習の仕上げにはうってつけだと思います。
せっかく送ってきてくれるので、是非活用した方がいいと思います。

ref. 1) Princeton Review著
Cracking the GRE Chemistry Test, 3rd Edition (Graduate School Test Preparation)

ref. 2)Sharon Weiner Green、Ira K. Wolf 著
Barron's GRE: Graduate Record Examination

ref. GRE公式HP

TOEFL or IELTS?

英語を母国語としない留学生の英語力をはかる試験として、TOEFL-iBT以外にIELTSという試験があります。
TOEFL-iBTがアメリカ英語なのに対し、IELTSはイギリス・オーストラリア英語なので、イギリスやオーストラリアに留学する場合はTOEFLではなくIELTSのスコアを求められるのが一般的だそうです。

しかし、近年アメリカでも、「TOEFLで高得点を取った留学生でも、実際に入学してみると英語が下手だ!訛りが強くてわからない!」
という、主に学部生達からの苦情(院生の場合TAで学部生を教えることが多いです。アメリカでは、日本に比べ大学で取った成績(GPA)がその後の就職や進路に大きく関わってくるので、なるべく良い成績を取りたいという気持ちが日本の学生より強いと聞きます。彼らにとって、TAの英語がわからないというのはゆゆしき事態なのです)が相次ぎ、
「TOEFLは信用できない。代わりになる試験はないか」ということでIELTSが注目され始めている、
TOEFLは受け付けずにIELTSだけ受け付ける学校が出てきている、というがあります。
実際、ちょっと前まではほとんどの大学院がTOEFLしか受け付けていなかったのに、今は大抵の大学院が「TOEFLまたはIELTS」という要求の仕方をしているので、上記の噂もそんなに的外れでもないかなと思いました。
実際、私が9校受験した中では「TOEFLではなくIELTSのみ」という要求の仕方をしている大学院は見当たりませんでしたが、この傾向が続くと、もしかしたら今後上記のような大学院も出てくるのかもしれません。
私は心配性なので、TOEFLを100点越えした後、念のためにと、IELTSも受けました。

TOEFL-iBTとIELTSの違いは以下の通りです。
・TOEFL-iBTは120点満点なのに対し、IELTSは9.0点満点である。
・TOEFL-iBTは全てパソコンを用いて行うのに対し、IELTSは手書き答案である。
・TOEFL-iBTのスピーキングはパソコンに向かって録音するのに対し、IELTSは面接官と一対一で話すので、より実際の会話に近い感じで話すことができる。TOEFLもIELTSも録音したものをセンターに送り、そこで採点されることに関しては同じである。

いずれもメリット・デメリットがあると思います。パソコンで長文を読むのは目が疲れるし、パソコンに向かって話すのも慣れるまではちょっと変な感じがします。
でも、手書きで長文書くのは手が疲れるし、間違えた時に消しにくいし、ヘッドホンで聞く方が、教室のスピーカーで聞くよりも聞き取り易いです。
また、TOEFL対策のページに詳しく書きますが、TOEFL-iBTの大きなデメリットの一つとして、「自分がreadingをやっている最中に隣の人がspeakingを始める」、ということが往々にしてあります。
隣の人じゃなくても、同じ部屋にいるとかなり邪魔です。

お金と時間に余裕があれば両方受けておいた方が安心だとは思いますが、
①TOEFLだけ、あるいはTOEFLとIELTSどちらでもよい、という学校はあるが、IELTSだけ、という学校は私の見る限り今のところは見当たらないこと、
②TOEFLの方がある種類の「癖」があって、IELTSよりもいわゆる「試験に則した対策」というものが必要であること、
などから、とりあえずTOEFL対策をしてTOEFLを受けてみて、思ったよりも早く100点、あるいは目標点数を達成できたらIELTSも受けてみる(TOEFL対策をしておけばIELTS対策というのは特には必要ない気がします。ある程度イギリス英語に耳を慣らしておく、本で模擬試験を自分でやってみる、くらいで十分でしょう)、という戦略でいいんじゃないかなと思います。
そして、TOEFLに思いのほか手間がかかった場合は無理してIELTSを受ける必要はないと思います。

IELTSの試験内容は以下の通りです。
listening
4つの会話やスピーチなどを聞き、それについての質問に答える。問題は全部で40問。時間は30分。
TOEFL-iBTはパソコンから繋いだヘッドホンを被り、自分だけが聞くが、IELTSでは教室の教卓に乗せられたスピーカーからの音を皆で同時に聞く。
問題の種類は、
多肢選択式
短い言葉で答える問題(空欄に自分で言葉を書く)
穴埋め問題
メモや、要約、フローチャート、表を埋める問題
図の題名をつける問題
分類する問題
組み合わせの問題
などです。

reading
トータル2000~2750ワード程度の、3つの長文を読み、それについての質問に答える。問題は全部で40問。時間は60分。
TOEFL-iBTではパソコン上の長文を読み、パソコンに答えを入力していくが、IELTSでは紙に印刷された長文を読み、紙に答えを鉛筆で書いていく。
問題の種類は、
多肢選択式
短い言葉で答える問題(空欄に自分で言葉を書く)
穴埋め問題
メモや、要約、フローチャート、表を埋める問題
図の題名をつける問題
パラグラフやセクションの題名を選ぶ問題
著者の主張などについての多肢選択式問題
長文に含まれる情報についての正誤問題
分類する問題
組み合わせの問題
などです。

writing
2問で合計60分です。
TOEFL-iBTではパソコン上で書けるので、選択して大量に一気に消したり、コピー&ペーストができるのに対して、IELTSは紙に鉛筆で書くので、大量に消したい場合は時間がかかることや、同じフレーズや似たようなフレーズを使いたい場合にもいちいち手で書かなきゃいけないところが違います。
問題の種類は、
1問目:20分間で150ワード以上書く。この問題では、表や、グラフや、チャートなどを見せられ、それについての質問に答える。
2問目:40分間で250ワード以上書く。この問題では、ある立場や主張について1~2文程度の文を見せられ、それについて賛成か反対か、などの議論について書く。

ここまで、休憩はありません。
speakingは、上記の3セクションが行われた日の前後6日間の間にやることになっているそうですが、私が受けた会場では、土曜日に3セクション、次の日の日曜日にspeaking、となっていました。
会場も違うので要注意です。

speaking
トータルで11~14分。
パート1:4~5分で試験官と自己紹介をする。一般的な簡単な質問について聞かれる。
パート2:3~4分であるトピックについての質問に答える。トピックはその場で渡されたカードに書かれている。考える時間を1分与えられる。
パート3:4~5分でパート2で聞かれた質問についてもうちょっと突っ込んだ質問に答える。

TOEFL-iBTを受けた後に受けると、IELTS特有の癖や特徴、というようなものは感じませんでした。
なので、両方受ける場合はTOEFL-iBTの対策+イギリス英語に耳を慣らす、程度で良いと思います。
一応、IELTS対策本も使ってはみましたが、特に「この本を使ったから良かった!」という感動はありませんでした。
不安だったらサラッと見ておく程度でいいんじゃないかと思います。

TOEFL対策

2010年5月2日日曜日

TOEFLに関して言えば、今までも大きな変革は何度もありましたし、これからもあるでしょう。
なので、ここから書く内容はあくまで2010年春現在有効なものであって、もしこれを読む皆さんが受けるのがそれよりも先のものであれば、何かしらルールその他が変わっている可能性は十分にありますので、
ETSのTOEFLのHPを自分でしっかり確認して下さい。

なお、「TOEFL or IELTS?」のページにも書きましたが、
TOEFL-iBTの大きなデメリットの一つとして、「人によって試験の進度が異なる」という点があります。
つまり、試験前数十分くらい前から入室でき、各自用意ができ次第試験を始めて良いのです。
しかも、各セクション制限時間は決まっていますが、制限時間よりも早く終わることは全然構わないのです。
したがって、隣の席の人が開室してすぐに入室し、しかも英語が得意なのでスイスイ進んでしまった、しかも自分は試験開始時間として記されている時間ギリギリに入った上に進度が遅い、となった場合は、自分がreadingをやっている最中に隣の人がspeakingを始める、などということになってしまうことが往々にしてあるのです。
隣の人じゃなくても、同じ部屋にいるとかなり邪魔です。
これを防ぐ方法として、
①なるべく早く入室する。(しかし、readingの前、試験の一番最初になぜかマイクテストをさせられるので、なるべく早く入室しても、マイクテストの人たちには邪魔されます)
②防音素材のパーテーション付きの設備がある試験センターにする。(テンプル大学では、防音素材のパーテーションで区切られたブース型の机とパソコンが並んだ試験場があります。私はテンプル大学ではGREしか受けたことがないのですが、その時TOEFL-iBTを受けている人が同じ部屋にいたかどうかはわかりませんがまったく音は聞こえず、良い感じで集中できたので良かったです。)
というものが考えられます。

試験対策
今日本で受けられるTOEFL試験には、iBTの他にITPなどがありますが、一般的にアメリカの大学院で受け付けてくれるものは、2010年春現在、TOEFL-iBTのみとなっています。
(PBTもOKな大学院もあると思いますが、これからTOEFLを受ける人に関して言えば、PBTは日本ではすでに終了したのでiBTしか選択肢はありません)

TOEFL-iBTは以下の4つのセクションからなっています。
reading
3~5つの長文(科学や社会学などの教科書的な内容)、各700 wordくらい、各長文につき12~14問くらい。
時間はトータル60~100分くらい、問題数はトータル36~70問くらい。30点満点。

listening
4~6つくらいの講義:そのうちのいくつかはその講義についての会話付き。各3~5分くらい、各6問。
2~3つくらいの会話:各3分、各5問。
トータル60~90分くらい、34~51問くらい、30点満点。

**10分休憩**

speaking
2問:一般的なトピックについて話す。
4問:長文を読んだり、会話や講義を聞いたりした上で、それらの内容に基づいた質問に答える。
トータル20分、6問、4点満点で採点されたものが30点満点に換算される。

writing
1問:長文を読んだり、会話や講義を聞いたりした上で、それらの内容に基づいた質問に答える。
1問:あるトピックについて、自分の意見を述べる。
トータル50分、2問、5点満点で採点されたものが30点満点に換算される。


私がTOEFL-iBT対策として使ったのは、以下の本です。
早川幸治、Paul Wadden、Robert A. Hilke 著
TOEFLテストライティング問題100 (TOEFL iBT大戦略シリーズ)
TOEFLテストスピーキング問題130 (TOEFL iBT大戦略シリーズ)
TOEFLテストリーディング問題270 (TOEFL iBT大戦略シリーズ)
TOEFLテストリスニング問題350 (TOEFL iBT大戦略シリーズ)

私はとにかく時間がなかったので、「英語力をアップする」ということは捨て、「TOEFLのコツだけ身につけ、今の英語力で取れる最高得点を取る」というスタンスで勉強しました。
更に時間のない人はライティングとスピーキングだけでもいいと思います。
なぜなら、ライティングもスピーキングも、「文章を読み、それに関する会話あるいは講義を聞き、それについての質問に答える」という形の問題があり、上記の本はそのタイプの問題の対策についてもしっかり網羅しているからです。
文章も、講義や会話も、ETS系の試験の場合しっかりしたルールに則って作られているため、ライティング対策・スピーキング対策をしながら同時にリーディング対策・リスニング対策もできる、というわけです。
上記の本は読みながら、聞きながら、のメモの取り方なども詳しく書いていて、練習もさせてくれるのでとても良かったと思います。

私が一番キツイと感じたのはスピーキングでした。
スピーキングでは時間との戦いです。
問題が示され、「~秒で考えて~秒で話しなさい」という指示がでるのですが、考える時間は最大で30秒、答える時間は最大1分です。
最初の問題など、「15秒で考えて45秒で答えなさい」です。
最初の2問はごく一般的なトピックなのですが、一般的過ぎて、そういう問題に慣れていないとかなり焦ります。
例えば、私が初めて上記のスピーキング対策本を開いた時、最初の問題が「もしあなたに大きな土地を与えられたら、それを使って何をしたいですか。15秒で考えて45秒で答えなさい」という問題でした。
もちろん、かたまったまま1分過ぎました。
「これは英語の問題じゃない!日本語だって答えられない!」と思いましたが、恐ろしいもので、これも慣れです。
慣れれば、こういういわゆる「ムチャブリ」問題でも対応できるようになるものなのです。
なので、英語に自信がある人でもしっかりTOEFL対策はした方がいいと思います。

目標点数
目標点数に関しては、各大学の入試情報ページに公開されています。
学科によって違ったり、入学の最低点数とTAをやりたい場合の最低点数が違ったりする場合もあるので、気をつけましょう。
私がざっと見た感じだと、求められる最低点数はTOEFL-iBTの場合120点満点中80~100点程度だったと思います。
Caltechが100点だったので、Engineering(工学部)でそれ以上というのはきっとないんじゃないかなー、と思っています。
あと、トータルの最低点数(120点満点中100点、など)と、セクションごとの最低点数(各30点満点中25点、など)が両方求められる場合もあるので、要チェックです。
特にスピーキングで25点以上というのはかなり練習しないと大変だと思います。
TOEFLに関しては、公開されている点数というのは「求められる最低点数」ということなので、GREなどとは違い、その点数に届かない場合は足切りされると思った方がいいと思います。
(注:GREなどの点数に関しては、「最低点数」という公開の仕方ではなく、「昨年度入学者の平均点数」などの形で公開されることが多いのではないかと思います。)
ただし、様々な条件(強力なコネがある、その他)により、お目こぼしされることが絶対ない、とは言い切れないので、どうしてもその点数に届かない場合は念のため、コンタクトした先の教授や留学生課などに直接問い合わせ、交渉してみた方がいいと思います。
しかし、「求められる最低点数」はどこの大学院も似たり寄ったりなので、一つの大学院の最低点数に届かないということは他の大学院の最低点数にも届いていない可能性が高いため、なるべく100点突破はした方がいいのではないかと思います。
ちなみに、1回目のTOEFL受験の後、大して勉強しなくても複数回受けると慣れにより少しずつ点数は上がっていくもののようです。ETSの試験が「コツ」である程度対策できるということの表れですね。

ただし、TOEFLに関して言えば、「足切り点数」を超えたら後は考慮されないそうです。
つまり、100点が足切り点数の学校を受ける時、100点の人と115点の人では、合格のし易さに変わりはない、ということです。
これは信頼できるソースからの情報ではないので、出願先の教授にきちんと確認した方がいいかとは思いますが、
TOEFLの足切り点数というのは「これだけの英語力があればうちの授業や研究活動についていける」と判断し、英語力だけで不合格にするほど英語力がないかどうか、を判断するための材料であって、
高いに越したことはないが、足切り点数より大幅に高いからと言って受かり易くしてやろうと思えるほど重要なモノでもない、ということなんだと思います。

大学の成績

アメリカの大学院出願で求められるのはGPA(優・良・可・不可あるいはA・B・C・Dの四段階をそれぞれ4・3・2・1と数値化し平均したもの)です。
5段階評価の大学でも、正式な成績証明書は4段階でついているのではないかと思います。
うちの大学ではそうでした。その場合、5と4が優(or A or 4)として出るか、4と3が良(or B or 3)として出るか、というところで調整しているようです。(たぶん大学によって違います)
GPAの重要度は結構大学によって違うようで、人によって言うことが違います。
あまり重視しない学校もあればすごく重視する学校もあるそうです。

参考までに、私のGPAを開示してしまうと、
学部:3.76
大学院修士課程:3.94
でした。
噂によると3を切るとヤバイとか、3.5を切ると良い大学院には行けないとかいろいろあるらしいですが、
とりあえず学期始めにいろいろ履修登録してしまって、学期が進んでいくうちに切って行く、という手法を取る学生が多い日本においては3を切るとかざらですよね。

さてそんな時、どうするか。
いろいろ計算してみます。(ref. 1)まずは

専門科目とそうでない科目(副科科目とか、一般教養とか)に分けてGPAを計算してみる
⇒もし専門科目は3.5くらいで一般教養が2.5とかだったら、エッセイにおいて
「興味を持てるものには熱中していくらでも勉強できるのですが、興味を持てないものにはなかなか身が入らず、ついつい専門科目の勉強にばかり集中して勉強してしまいました。そのため一般教養のGPAが全体のGPAを下げましたが、専門科目については他の人よりたくさん勉強したという自信があります!
などと、主張してみる。

一年生のときのGPA、二年生のときのGPA…など、年度に分けてGPAを計算してみる。
⇒もし、ある特定の年度だけ極端にGPAが悪かったりしたら、エッセイにおいて
「この年は部活(やアルバイト、ボランティアなど)に熱中したため勉強に充分な時間が注げませんでした。しかしこの年勉強以外にいろいろなことを学びました…」
などと、主張してみる。
⇒あるいは、もし、年度を追うごとにGPAが段々上がったりして行ったら、エッセイにおいて
「最初は勉強にやる気が起きなかったのですが、専門科目を深く学んでいく課程で面白さがわかり、どんどん勉強に興味がわくようになっていきました。今では勉強大好きです!」
などと、主張してみる。

という手が使えるそうです。もし、上記二つの手が使えなかったら、時間とお金が許せば次の奥の手。
日本で修士を取ってから渡米することにする
⇒日本の理系大学院というのは授業にはほとんど力を注いでいません。
研究中心です。先生方も、(失礼ながら)あまり講義に力を注いでいない方も多く、全員に5をつけたり全員に3をつけたり、という先生も珍しくありません。
また、授業の数が学部の時に比べ圧倒的に少ないので、取りこぼしを少なくすることができます。
そのため、大学院に進んで「ほとんど全員に5をくれる」という噂を先輩方からたくさん聞かせてもらい、いい成績を取りやすい授業を取ることにします。
そうすると②の応用編が使えます。すなわち、エッセイにおいて
「学部の時には専門科目を勉強してもそれがどのように役に立つのかわからず、勉強にあまり集中できませんでした。でも研究室に入り、大学院に進んでからは専門科目を勉強する意義がよくわかるようになり、自然と勉強に身が入るようになりました。」
などと、主張してみる。

その他、交通事故で怪我をしたので休学までには至らないまでもしばらく勉強できなかったとか、親が厳しくて家業の手伝いをしなければならなかったので勉強時間が取れなかったとか、いろいろな理由づけが考えられます。
しかしここで重要なのは、その理由が大学院進学後に再発する可能性がゼロであること。
例えば、「病気で勉強できなかった」とかだと、「大学院進学後も病気になって勉強しないかもしれない」と思われる可能性が高いですよね。
そういうことです。
あと、むやみに言い訳がましくならないこと。
本来、自分が将来何をしたいか、ということを書くべきエッセイにおいて、だらだらと「なぜ自分の成績が悪かったか」について書かれてもイラッと来ますよね。
あくまでも、サラッと。
そして、客観的に見て「良い理由」がなければ、悪い成績についてはスルーした方がいいと思います。
悪い成績について言及するということは、敢えて自分で自分のウィークポイントを強調することにも繋がります。
そのリスクを冒してでも、主張する価値のあるものかどうか、よく考えてから書いた方がいいと思います。

ref. 1: Donald Asher 著
Graduate Admissions Essays: Write Your Way into the Graduate School of Your Choice

出願準備リスト

2010年5月1日土曜日

出願に際しては提出するものは以下の通りです。

online application(大学院のwebpageで自分のアカウントを作り、個人情報を入力するようになっています。面倒ですが、難しくはありません。)

成績証明書、卒業証明書あるいは卒業見込み証明書(学校によっては、日本語と英語の両方の成績証明書、卒業証明書をそれぞれ揃えろというところがあります。私は学部卒のまま渡米する人は学部の分だけ、修士まで日本で出てから渡米する人は学部&修士課程の分、ということになります。私は後者でしたので、最大8通揃えなければなりませんでした。何通もいっぺんに申請すると時間がかかることもあるので、早めに大学に申請しておくといいでしょう)

TOEFLのスコア(IELTSでも良い場合もある)
GREのスコア
→これらはいずれも、ETS(TOEFLやGREなどの試験を作っている会社。余談ですがTOEICもETSの試験です)から出願先の大学院に直接送られるオフィシャル・スコアでないと認められません。届くまでに2週間くらいかかることもあるので早めに申請しましょう。

推薦状(これは大抵、3通求められます。1通指導教官、1通学科長、1通は誰か授業などで気に入ってくれた先生が良いでしょう)

エッセイ(Statement of Purpose、SOPとか、Personal Statementとか呼ばれるものです。大学院によっては内容について細かーく、アレ書けコレ書けと指示がある場合もありますが、大学院によっては「personal statementを書け。」とだけそっけなく書いてあってこちらがおどおどとしてしまう場合もあります)

CVまたはresume (要するにアメリカバージョンの履歴書です。日本の履歴書とは違い、書式もなく、また研究内容や学会発表、投稿論文、賞などについても書かなければいけないのが特徴です)

残高証明書 ビザ申請の関係で、これを出さなければならない大学院が多いです。大学院側に学費&生活費を払ってもらう場合でも、applicationの段階ではこれを出さなければならない場合が多いです。これは大抵の場合、銀行から発行してもらう正式な英文書類でないといけないので、事前に用意しておきましょう。大抵、銀行に証明書を出して下さい、と申しこんで1~2週間くらいかかるので、余裕を持って申し込みましょう。なお、求められる残高は1年分の学費+生活費に相当する額で、学校にもよりますが、大体500万円くらいだったかなと思います。どうせ本当に使うお金じゃない(大学院側に学費、生活費を出してもらうので)ので面倒ですが、親戚などから借金してもいいと思います。

オプションとしてmustではないが、出願準備の段階でやっておいた方が良いこと。

奨学金申請
日本国内の財団などの奨学金をもらっておけると大きな力になります。
大学院に受かり易くなったり、入学後の研究室配属などに際して有利に働く可能性が非常に高くなります。

出願先の教授にコンタクト
特にコンタクトを取らずに出願する人も多いそうなので、やらなくても大丈夫だとは思いますが、もし相手の教授がこちらに興味を示してくれた場合、内部から入試課にプレッシャーをかけてくれる場合があります。
そうすると大幅に合格の可能性が高まります。

次回から、上記の対策について書いていきたいと思います。

大学院の選び方

大学院の選び方としてはいくつかあります。
一つに絞るのではなく、バランスよくそれぞれを考慮しながら選ぶのがよいと思います。

日本での指導教官の知り合いをターゲットにする。

私は日本での指導教官が、たまたま、本当にたまたま、その分野で世界的に有名な先生だった、というラッキーな環境だったので、
まずは先生の知り合いでアメリカで大学教授をやっている先生方の名前をリストアップしていくところから始まりました。
あまりアメリカの大学院に知り合いがいない先生の場合は無理しなくてもいいと思いますが、1人でもいるようなら出願リストに加えた方がいいんじゃないかと思います。
ただ、そういう先生じゃない場合の方が圧倒的に多いと思うので、「知り合いなんていないよ」と言われた場合でも慌てなくていいと思います。
指導教官の知り合いを当たる、という方法の場合、良い点は「全滅する可能性が低い」、「自分の研究をわかってもらいやすい」ということですね。これが良いのかどうかというのは人によって違ってくると思いますが、いなくても全然大丈夫だと思います。

大学院の学科別のランキングを見る

一番よく使われるのはU.S.Newsのランキングのようです。
これは結構重要な気がします。
Ph.D.取得後、アカデミアに残るにせよ企業に行くにせよ、なんだかんだ言って大学のランキングは重要視されるという話をよく聞きます。
また、たまたま無名大学にいる有名教授を狙って行くにしても、その有名教授が自分を取ってくれるという保証はないわけです。
あぶれた場合、最悪なことになります。
また、首尾よくその有名教授の研究室に入れたとしても、例えば先生とうまくやっていけなかったり、自分の研究の興味が他にうつってしまっても、路線変更がきかないのがかなり辛いところだと思います。

教授の知名度

入りたい研究室の教授の知名度は重要だと思います。
もちろん、有名な教授というのはそれだけ意義のある研究を行っているということですが、それだけでなく、
お金も潤沢だし、知り合いも多い(=コネが強い)、国内外の学会などにたくさん行かせてくれる、などのメリットがあります。

ロケーション

私はあまり気にしませんでしたが、田舎に住むのが我慢できない人、日本食料品店が町に一店はないと嫌な人、逆に都会が嫌な人、などなど…は、ちょっと気にした方がいいかもしれません。
また、気候も重要です。私の友達はアメリカの北の方の州に住んでいましたが、彼女の住んでいたところでは、真冬だと最高気温が零下7度、最低気温が零下20度にもなるそうです!もちろん、セ氏ですよ。
私はそういうところはちょっと無理だと思ったので、極端に寒そうなところは避けました。

大学自体の知名度

博士号取得後、専攻にもよると思いますが、企業やアカデミアでの理系就職(研究職、技術職)だけとも限らないと思います。
例えば投資銀行に勤めたい、という風に気持ちが変わる、ということもあるでしょう。
その場合、学科のランキングだけでなく、大学全体としてのランク、知名度というものも重要になってきます。
また、Ph.D.取得後、日本に帰りたいのか、アメリカで就職したいのか、によっても変わってくるかもしれません。
例えばスタンフォード大学(U.S.Newsの学科別大学院ランキング、Chemical Engineering学科2010年5位)は日本人でも大抵の人は知っていますが、ミネソタ大学(同ランキング3位)となると、ちょっとわからない人が多いのではないでしょうか。
その場合だったら、日本で就職することを視野に入れた場合、スタンフォードの方が良い、ということもあるかもしれません。

私が考えたのはこのくらいでしょうか。他に何かあったら教えていただければと思います。

ちなみに、2009年度くらいからアメリカの大学院にも経済危機の波は押し寄せ、お金のかかる留学生(留学生の方がアメリカ人学生より学費を高く設定している大学が多い。特に州立大学)を以前より少なめに取る、全体的に合格者を少なめに取る、などの対策を取っている大学院が多いと聞きます。
全体的に合格者を少なめに取る、というのは、各大学、それぞれ今までの合格者の入学率(100人に合格を出したらその内大抵30人くらいが入学する、とかの率)を参考に毎年合格通知を出すそうなのですが、サブプライムが崩壊してから一気に景気が冷え込んだ関係で、①そもそも就職するより大学院に行こうという人が増えた、②①の理由でより良い大学院に行くのが難しくなったため、合格辞退率が減った、という関係で大学側も慎重になり、今までよりも少なめに合格者を出すようになったそうです。
そのため、私立、公立をバランスよく、ということと、ランキングを見ながら上から下までまんべんなく、多めに出願するのが良いと思います。ちなみに私は9校出願しました。10校以上出願する人も珍しくないので、大体13校くらいを目標に設定するのがちょうどよいと思います。 ここにはトップやアーカイブページで省略される(記事単独ページでだけ表示される)文章を書きます。
 
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